【 2018年2月 政務活動報告 】
2018年2月2日  公明党会派県外調査・長野県

2月2日、長野県庁を訪問し、以下のテーマを調査。
1.LINEを活用した いじめ・自殺対策について
2.水道メーターを活用した高齢者見守りシステムについて
参加者:山口県議、野澤、西村県議
説明者:長野県教育委員会 心の支援課
企画幹 竹内正樹氏
長野県企業局 水道事業課
課長補佐  玉井俊則氏

1.LINEを活用した いじめ・自殺対策について
1)対策の経緯
長野県が、自殺者数で全国ワーストだったが、議会で公明党会派の中川県議のLINEを活用した自殺対策の質問がきっかけでスタート。
LINEと行政が連携し、実証実験を開始。
10代の子供たちは、電話世代でない事から、SNSに着目。

2)事業内容
①SNSによる相談窓口を設置
②実証実験期間は、H29.9.10〜23で実施
③対象は、スマホ世代の中学・高校生
④相談時間は、17:00〜22:00(エントリーは21:00まで)
⑤相談体制は、約40人のスタッフで、常時10名が対応
〜1対1での対応!

3)事業結果
①当初、中学校からは、SNSへの抵抗があった
②既存電話相談(年間259件)に対し、LINE相談は2週間で547件
〜気軽に相談出来る
③相談内容は、学業、恋愛、交友関係が上位

4)結果分析(SNSのの特徴)
①深刻化する前の相談が多い
②気軽、手軽
③相談したい気持ちを掘り起こした
④悩みの芽を早期に摘み取れる

5)課題
①相談の基本である「聞く」「寄り添う」「助言」がLINEでは困難
〜LINEの文章は単語化され、お互いの真意が伝わらない
〜相談のやり取りに時間がかかる
②深刻な相談に対応が困難
〜SNS相談の手法の開発が必要!
〜電話相談に切り替える仕組みが必要!
③コストが高い
〜スタッフ増員等の人件費
〜入力時間等で、電話相談の2倍以上の時間

6)今後の方向性
今回の実施で、悩みを持った子どもがこんなに多く存在する事が分かった。
そして、悩みを吐き出させる事が大事だと気づいた。
①LINE相談体制及びSNS相談手法等、国と連携し研究する。
②臨床心理士等の人材育成と確保

2.水道メーターを活用した高齢者見守りシステムについて
1)長野県の水道事業
①末端給水事業
〜給水量52.505m3/日、20万人分
※市町村では水道事業を受けられない為、県が広域化した経営体で取組んでいる。
②用水供給事業
〜給水量81.000m3/日、24万人分
③事業経営戦略
〜3つの柱「経営の安定」「社会への貢献」「リスクマネジメント」
※社会貢献の事業として、高齢者見守りシステムを実施。

2)水道メーターを活用した高齢者見守りシステム
①モデル地区選定
坂城町・・・人口14.871人
人口構成〜65歳以上33.2%(高齢化率)
高齢者世帯数 550世(10%)
②研究会設置
③高齢者元気応援システム〜ASAsystem
〜水道メーター→見守り装置→見守りセンターへ情報自動発信
〜元気メール→遠方の家族へ
〜異変メール→役場、警察、消防等
④コスト
〜水道メーター設置コストが高いため、補助が不可欠!

3)運用状況
①利用者目標100件に対し、37件
②受信状況
〜87%が元気メール、13%が連続使用か不使用
③成果・効果
〜毎朝の安心確認で、生活リズムができた
〜家族から連絡が入るようになり、会話が増えた
〜家族からは、メールが来るので安心の声
④課題
〜利用者の増加
〜水道メーター設置コストへの対応
→コストダウン
→助成制度
〜IOT化
※高齢者独居世帯の増加は、死後放置の問題を孕み、高齢者見守りシステムの構築は、これからの重要な行政課題。

長野県庁前にて

説明聴取

質疑

意見交換

2018年2月1日  公明党会派県外調査・小松市

2月1日
1.石川県小松市の「公立小松大学」設立の取組について
説明者:小松市総合政策部公立大学設立準備室
室長  林  政憲氏
出席者:山口県議、野澤、西村県議

1)小松市の概要
①珠玉の名産地、九谷焼、歌舞伎十八番(子供歌舞伎)
②小松製作所の本拠地で、機械等ものづくりのまち
③合計特殊出生率1.18、有効求人倍率1.66
④人口108.662人、微増傾向!
※日本創生会議では、消滅可能性都市の一つになっていた
2)若年人材の流出
①10歳から29歳の流出が顕著
〜流出人口の殆どが東京圏へ
②県内の人口移動では、金沢市に集中
※若者の人口流出を止め、若者を呼び込む政策として「公立大学設立」を推進!

3)公立小松大学設立の経緯について
①4年制大学設立のベース
既存施設の発展的統合計画
〜公設民営の小松短期大学と、市と医師会の第三セクターの看護専門学校を統合
②平成26年から検討会・協議会等準備、29年に認可、平成30年4月開学

4)公立小松大学の概要と特徴について
キャンパスは、中央、粟津、末広の3ヶ所
〜前半は全学生が中央キャンパスで学び、後半は専門に移行し各キャンパスにて学ぶ
①3学部4学科制
〜生産システム科学部、国際文化交流学部、保健医療学部
〜国公立の大学で初の「臨床工学科」が目玉!
〜教授陣は金沢大学と連携、特任教授には、宇宙飛行士の山崎直子氏、土井隆雄氏をはじめ、小松製作所の会長やGPS遠隔操作技術の先駆者・黒本氏等がいる
②募集定員240名(各学部80名)
〜受験倍率8.4倍で、人気上々
〜受験傾向は、県内:県外=4:6で、北海道から沖縄まで全国規模
③本学の特徴について
〜学生と地域の交流を目指す
・寮や学食を作らず、地元に馴染んで地域の良さを感じてもらう
・地域のお祭り等の行事に参加する事で、第二の故郷をつくり小松市に根付いてもらう
〜ものづくり技術者育成
・先端ものづくり人材の育成
・ものづくり企業の後継者育成
〜社会ニーズに応える人材育成
・介護・看護人材のレベルアップ
単なる知識やスキルを身に付けるだけでなく、コミュニケーション能力を磨く
・東南アジア等の来訪者対応のため、多言語人材育成

5.リカレント教育について
①学び直しについては、現・小松短期大学で実施
〜現在は、小松製作所の社員のリカレントが主だが、大学ではシニアを含め、幅広く学生を応援したい
〜公開講座の充実等

以上、小松市の新たな取組を調査し、大変刺激を受けました。
地方は、人材育成と確保の競争の時代に入りました。如何に有能な人材を育成し確保するかが、地方の未来を決します。
積極果敢な挑戦をした自治体が勝ち残り、消極的、或いは前例に捕らわれ新しい事に挑戦出来ない自治体は消滅する。
積極的に、先進事例を研究し、新たな未来を開いて行きたいと思います。

小松市役所前にて

会議室にて説明聴取

執行部との意見交換