【 2016年11月 政務活動報告 】
2016年11月11日  公明党会派県外調査④

3日目
11月11日、福井県庁にて、健康増進課の「健康づくりへの取組」、教育庁義務教育課の「学力向上への取組」等について調査。

「福井県における健康づくりへの取組」
説明者:福井県健康福祉部健康増進課 宮下課長、前川課長補佐、谷口主任より説明聴取。
【調査内容】
1.福井県民の現状と健康課題
人口減少する中、高齢化率は高く県内の後期高齢者比率は51.8%で、健康長寿社会実現は絶対条件。
様々な取組により、現在、平均寿命・健康寿命共に全国トップクラスを維持している。
また、幸福度、学力、体力は全国トップ。
死亡要因分析では、ガンや脳血管疾患は低く、急性心筋梗塞での死亡が全国トップ。

2.元気な福井の健康づくり応援計画
①こどもの健康づくり対策
子どもの学力・体力は高いが、視力・虫歯に課題。中学生の視力1.0未満54%・小学生の虫歯は50.8%で、共に全国39位。
福井県は、共働き家庭が多い事で、子どもとの関わる時間が少ない事が要因としてあると言う。
→子どもの目と歯の健康プロジェクト

②若者・働く世代の健康づくり対策
・「野菜」と「塩分」の摂取量が課題。
福井県民は、惣菜購入が日本一で、野菜不足、塩分多量摂取に繋がっている。
→「ふくい健幸美食」の啓発・普及
低塩分、野菜、特産物等の条件で、県内レストランや惣菜店を認証。

・車社会で、運動不足が課題
歩かない県民、この点は栃木県同様。
→「みんなで歩こうプロジェクト」
→ラジオ体操を普及する「みんラジ推進隊」
平成30年の福井国体に向け、ウォーキングやラジオ体操で、健康づくりを推進。
「1県民 1スポーツ」を推進!
県は、一市町一健康づくりを推進。
〜市町が持つ国民健康保険のデータを活用して、保険料から医療費の内訳や疾病傾向が把握でき、地域の特色ある健康対策に活用する取組。
この他、わがまち健康推進員の設置と育成や、冬場のウォーキングイベント開催、事業所等へ正しいラジオ体操のインストラクター派遣、17のまちを結ぶ徒歩大会など取組んでいる。

「福井県における学力向上への取組」
説明者:福井県教育庁義務教育課 川崎参事より説明聴取。
【調査内容】
1.福井型18年教育
誕生から高校卒業までの18年間を、途切れなく教育がリンクすることで、保育所・幼稚園・こども園から小・中・高校までの一貫した教育を実現。
①保幼小接続
②小中連携
③中高接続
小1の生活指導支援、小3の壁、中1ギャップを克服。

2.県独自の少人数学級
小学校1〜4年は35人学級、小学校5.6年は36人学級、中学校1年は30人学級、中学校2.3年は32人学級。
小学校・中学校の教員の人事交流も盛んに行い、互いに教育の現場に生かしている。
また、小学校時の生活ルールなども、県内で統一し、中学生活に戸惑いを生じさせない工夫もあった。
大学教育との連携も図っており、大学入試を踏まえた高校入試の改革を検討。
これにより、中学校・小学校で教育内容に変化が期待。

3.県独自の学力調査「SASA」
昭和26年、福井県独自の学力調査を開始。
調査対象は、小5と中2で毎年実施。
独自の学力調査は、全国学力調査とリンクさせ授業改善の効果を発揮している。
SASAの特徴は、主として知識に関する問題のA問題と、活用に関する問題のB問題、実社会の中で直接活かせるような総合的な問題のC(チャレンジ)問題から構成されている点。

4.教科等の取組
・古典学習について
小学校、中学校で、「古典音読・暗唱ノート」を配布。百人一首や故事成語、漢詩や論語などに触れる事で、古典への興味を引き出す。
・ふくい理数グランプリについて
ものづくり県の特徴を活かし、理数好きな子どもの裾野を広げる取組。
現在、1400名を超える応募があり、3人がチームとなり予選・本選と盛り上がっている。
・英語教育について
国に先駆けて、平成30年から小学校に英語の教科化に取組む。
〜話せる英語を重視する。

5.遠隔授業・研修システム
少子化に伴い学校の統廃合が進む中、福井県ではインターネットによる「遠隔授業」を展開。
県内の小学校・中学校・高校をインターネットで結び、講義の出前や研修、他校との意見交換など様々な教育の試みをしている。海外の生徒との英語でコミュニケーションや、部活動、生徒会活動など。
また、テレビ会議等で、教員の業務負担を軽減させ、児童・生徒との関わる時間の確保にも効果あり。

6.学力向上の為の各種連携
①指導主事連絡協議会
県の方針説明や課題討議、他市町との意見交換等、年6回の会議を開催を県が支援。
②小学校・中学校教育研究会
研究会には部会が複数あり、全ての教員はどこかの部会に所属し活動する。
交通費や活動費などは、県が補助いている。
③福井大学教職大学院との連携
教員の指導力向上奨励事業として、福井大学に計画的に教員派遣を実施。
県は、入学金の半分(141.000円)を補助している。

「人は国の宝」、教育は人を育む大事な事業。福井県の教育に対する取組は、体系的な計画と取組が効果的に進む為の予算措置が合致した素晴らしいもの。
栃木県としても、単に学力向上に終始せず、総合的な人材育成の為の教育行政を進めて行きたいと思います。

2016年11月10日  公明党会派県外調査③

2日目
11月10日、福井県庁にて、障がい者支援の取組について調査。
説明者:福井県健康福祉部障害福祉課 加藤課長補佐、鵜山主事より説明聴取。
【調査内容】
1.障がい児者を抱える家族の負担軽減支援
①重症心身障がい者と家族の現状
県内に330人の重症心身障がい者がおり、その内3分の2は在宅ケア。
重症心身障がい者数は、毎年増加傾向。
入所を希望する家庭は多いが、定員満所で断られている現状。
現状把握の為アンケート調査を実施、96%が母親が介護、仕事と介護の両立、要介護者2人以上が多い事が分かった。
②負担軽減のための支援
・在宅生活サポート事業
入所を断られている現状、通所・短期入所への支援を強化。
~受入事業者に補助金
通所支援事業所:4時間以上が5.150円、送迎は750円/片道
短期入所支援事業所:入所 10.300円、送迎 750円/片道
・事業効果
通所施設で12事業所が受入れ、一日40人が利用・・・年間約12.000人(延人数)
短期入所施設では、3事業所で月9人が利用・・・年間約100人(延人数)

2.入所施設の状況
県内に27の入所施設があり、定員は1.700人で現在1.679人が入所。
県内1.295人、県外384人で、県内の待機障がい者は多数。

3.施設充実の取組
既存の入所施設は老朽化が進み、補助金を活用して施設の維持・メンテナンスを実施。~事業者負担は、4分の1。
※入所施設27の内、5箇所が県運営から民間に、1箇所は市の持ち物だが民間に委託してる。
~入所施設の充実への取組は厳しく、公的機関の直営も視野に検討する必要性がある。

4.障がい者支援の新規事業
「障がい者の介護人材育成支援」
軽度の障がい者に、介護施設での就労を支援する事業。
希望者を募り、一定期間の研修を受講後、介護施設の職員として就労。
この取組は、平成12年度より滋賀県で先行しており、これまの15ねんかで約200人の申込があり、70人(4.5人/年)が就労を勝ち取っている。

4.福井方式による発達障がい者支援
「子育てファイルふくいっ子」作成、発達障害の早期発見、早期支援、継続支援に活用している。
こどもの発育段階に応じ、質問項目をチェック、レーダーチャートに写しこどもの傾向を見る。
これを、日常的に行う事で早期発見につながり、ふくいっ子ファイルを引き継ぐ事で、スムーズな学校生活を送れるようにする。
特に、この支援ツールは、一般向けに作られており、専門家でなくても簡単に使う事ができる。
また、このファイルを用いて、情報を共有でき、実施した対応を客観視出来るのも特徴。
この「子育てファイルふくいっ子」は、法政大学の黒澤先生と福井県が共同で開発し、講談社と三者協定を結んでいる。

福井の取組は、栃木県にとって大変参考になるものでした。

2016年11月10日  公明党会派県外調査②

2日目
11月10日、岐阜県庁に林業及び森林政策について調査。
説明者:岐阜県林政部 真野次長、県産材流通課 荻巣課長、森林整備課 岩月課長より説明聴取。
【調査内容】
1.岐阜県森林行政の概要
岐阜県の森林面積は86万haで、県土の82%を占める。木材生産量は34万m3で、栃木県の4分の3。
岐阜県の森林行政は「林政部」が管轄し、林政課、恵みの森推進課、県産材流通課、森林整備課、治山課の5課300名の職員体制。
平成29年度から始まる「100年先の森林づくり計画」をベースに、充実した取組を展開。

2.県産材の概要
人工林は、ヒノキ20.9万ha(全国2位)、スギ12万ha。ヒノキが主力で、東濃ヒノキがブランド。ヒノキは、韓国に輸出するルートを積極的に開拓している。

3.岐阜県の林業概要
木材生産量36.8万m3たで、木材生産額は82.4億円(全国13位)。岐阜県は製材工場が多く、270の工場が稼働(全国1位)

4.100年先の森林づくり
100年後のシミュレーション~森林を「経済林」20%、「環境林」80%
奥山林まで無計画に拡大した人工林(経済林)を、時間をかけて上記シミュレーションに近づける。

5.林業の成長産業化への取組
①生きた森林づくり
需要拡大策:大規模木材加工工場の誘致
・内陸型合板工場の誘致に成功
~合板工場は、一般に外材を加工するため海沿い立地が多い。岐阜県では、県産材・国産材100%の合板工場誘致に成功した。
県産材活用:A材 10万m3~構造材及び内装化粧材、B材 10万m3~合板等に加工、C材 5万m3、D材 9万m3~木質バイオマス発電で1万世帯分の電力を賄う。
②林業の成長産業化のポイント
・「伐採~植林~育林」のサイクルを正常に回せる体制を構築する事。
~生産者にとって植林・育林のコストが課題。
・需要(販路)の拡大。
・林業の担い手育成と人材確保。
③恵みの森林づくり
・県民生活と森林の関係を、県内企業や学校等を通じて、森づくり・森林環境教育を展開。
・森林環境税~1.000円/人・年で、約12億円を森林整備事業等に活用。
・子どもたちに、木育の推進。
~岐阜 木育30年ビジョン、木のおもちゃ貸出、木育推進委員による木育教育、H29年度に「岐阜おもちゃ美術館」建設。
・木質バイオマスエネルギーの供給。

6.現状と課題
人工林 34.1万haの内、10齢級が50%以上と成熟化が進んでいる~利用促進が課題。
伐採後の「植林」が進まない~植林等のコストダウンが課題。
川上の素材の安定供給~生産者の供給能力向上も課題。
川下の需要拡大~出口戦略
①県内の住宅着工数の76%が木造住宅。
~県産材仕様のメリット(県補助金)をPR!
②非住宅は、内装材に県産材を取り入れるよう推進。
③海外への販路拡大

7.林業の成長産業化
①施業の集約
森林を集約化し、事業者に経営を委託。受託事業者は所有者に利益を還元し、林業の経営効率化を図る。
小規模森林所有者を、いかにまとめるかがポイント!
問題点:不在所有者、境界不明物件への対応。
森林経営計画・・・目標20万haだが、半分の10.6万haで未達。要因は、所有者不明、不在、境界不明など
②路網整備
林業の活性化には、路網整備が不可欠。
作業道の延伸計画は、目標の140%達成と積極的に取組んでいる。
③高性能林業機械の導入
高性能林業機械は、林業現場の安全対策上も効果が期待。
国の補助金を活用して、県は現在184台保有。
この事で、生産量の増加と生産性向上を図っている。
④林業技術者の育成・確保
5年間で100名育成~毎年2名を欧州派遣。
⑤皆伐の推進
経済林の活性化、林業に成長産業化には、「皆伐と植林」の取組が持続型・循環型林業の形成に重要。
高齢級林の皆伐後、植林による新たな森林形成を推進~再造林には、植林等への補助金拡充やコストダウン、更に木材価格の上昇・維持の取組が不可欠。
⑥補助事業
再造林への補助金は、国庫補助金が68%のみで、生産者負担が大きい。
県は、独自に上乗せ補助金(国と合わせ85%)を決定し、生産者負担を軽減。
大分県で実施している「民間の基金」活用等参考に、生産者負担を10%程度にする取組が必要。
⑦獣害対策
シカの被害は、毎年60ha。皆伐・再造林を進める上でも、獣害対策は不可欠。
⑧苗木供給体制
住友林業が、年間31万本の体制で供給。

8.人材育成と人材確保
1)人材育成
①森林技術者
目標1.220名で、H27年は947名。定年や転職者で減。
現状、平均年齢は46.3才。
②施業プランナー
森林経営計画の策定及び管理等
③作業道オペレーター
④フォレストワーカー
フォレスター認定者40名、市町のマスタープラン作成指導等に当たる。
2)人材確保
①農林系高校生
山しごとインターンシップ事業
②森林文化アカデミー
エンジニア科~就業準備給付金制度
150万円/人・年を2年間
③林業への転職者促進支援
短期研修(20日間)~基礎学習・林業演習、木こり養成塾、林業機械オペレーター養成等。

9.地域森林監理士の育成
森林行政は、市町の役割が重要。
市町には、伐採届けや森林経営計画が提出されるが、自治体内の森林の健全な利活用が出来ているか監理する専門職員が必要。
県は、そうした林務行政を担える、専門職員の育成に力を入れる。

10.その他
林業の6次産業化、成長産業化を推進する上で、森林法の改正が必要との話が出た。
後日、改正すべき森林法の内容を調査したい。
国産材の価格は、適正価格化及び安定化が不可欠。稼げる林業の基本。

2016年11月9日  公明党会派県外調査①

1日目
11月9日、岐阜県立森林文化アカデミーを視察。
説明者、県立森林文化アカデミーの川尻副学長、陣出教務課長、山田教務係長より説明聴取。
【調査内容】
1.施設概要
岐阜県立森林文化アカデミー
敷地面積:41.3ha
施設面積:8ha
演習林面積:33.3ha
その他:市有林、国有林、県林業試験場に隣接

2.林業のスペシャリスト育成の機関
2001年に開校し、林業・木材産業等へ多くの人材を輩出。
①設立の経緯
岐阜県は、82%が森林と言う全国2位の森林県。
森林資源を活かした取組として、林業の専門技術者の養成、地元からの人材育成に対するニーズに応え、林業技術者のみならず森林の活性化を担える経営的センスを持った人材育成に取組む事に。
②学生の傾向
大卒者や社会人が、更なるレベルアップの為に入学するケースが目立つようになった。

3.アカデミーの特徴
基本理念:森林と人との共生
全ての人々が、森林と関わりを持ち、森林と人が共に豊かになる、森林教育・学習専門機関とする。

①専修教育・学習部門
21世紀の森林及び森林文化を担う人材を育成する。
エンジニア科は高卒資格でニ年制、定員20名。主に、林業技術者を養成し、卒業後の進路は国立大学等への進学、農林業・森林組合・公務員等への就職。
専門知識と技術を習得している彼らは、就職先でも好評。
クリエイター科は大卒資格でニ年制、定員20名。新卒者と社会人が半々。
卒業後は、森林組合や林業家、建設・木工業が主だが、近年は起業するメンバーが目立つ。

②短期技術研修部門
現役の森林技術者が対象で、短期間で高度な技術習得が可能。
林業・木造建築等の伝統的技術の習得・伝承、新しい技術の習得、資格習得など演習を中心に研修。
国庫補助事業を活用。

③生涯学習講座部門
県民の森林への正しい理解を通し「森林と人との共生」意識の醸成を図る。
本アカデミーは、県民に対し森林文化の発信拠点となる。
県民との交流や、各種講座を企画。

4.その他の取組
①ウッドスタート事業
県では、子どもが誕生すると「積み木」をプレゼントし、赤ちゃんが初めて触れる県産木の感触を覚えてもらう取組をしている。
②自治体連携事業
③ドイツのロッテンブルク大学との連携
④森のようちえん事業
など多種彩々。

5.栃木県で取組べきポイント
県の課題は、林業のビジネス化。つまり、稼げる林業の創出。
その為には、「林業の6次産業化」~川上から川下の共同体経営の構築。そして「人材育成」だ。
この人材育成には、岐阜県のアカデミーの取組を参考にしたい。
本県では「県立農業大学校」や「林業試験場」に、森林学部あるいは林業の研修機関を設置し、専門知識と専門技術を習得した人材育成機関を作ることが求められる。

2016年11月3日  平成通り平松本町交差点の調査

11月3日、横川東小学校PTAから、通学路の安全対策を要望され現地調査。
場所は、平成通り平松本町交差点。
道路幅員:約20m
歩行者用信号機の「青」時間:約30秒
【現状】
①平成通りを横断し通学→小学一年生の足で30秒が適正か?詳細調査必要!
②交差点の横断歩道4ヶ所が消えかけている
【対策案】
①調査の結果を受け、「青」時間を延長
②横断歩道のラインを補修

以上、道路管理者及び警察の担当責任者と、対策を協議します。