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2016年11月10日  公明党会派県外調査②

2日目
11月10日、岐阜県庁に林業及び森林政策について調査。
説明者:岐阜県林政部 真野次長、県産材流通課 荻巣課長、森林整備課 岩月課長より説明聴取。
【調査内容】
1.岐阜県森林行政の概要
岐阜県の森林面積は86万haで、県土の82%を占める。木材生産量は34万m3で、栃木県の4分の3。
岐阜県の森林行政は「林政部」が管轄し、林政課、恵みの森推進課、県産材流通課、森林整備課、治山課の5課300名の職員体制。
平成29年度から始まる「100年先の森林づくり計画」をベースに、充実した取組を展開。

2.県産材の概要
人工林は、ヒノキ20.9万ha(全国2位)、スギ12万ha。ヒノキが主力で、東濃ヒノキがブランド。ヒノキは、韓国に輸出するルートを積極的に開拓している。

3.岐阜県の林業概要
木材生産量36.8万m3たで、木材生産額は82.4億円(全国13位)。岐阜県は製材工場が多く、270の工場が稼働(全国1位)

4.100年先の森林づくり
100年後のシミュレーション~森林を「経済林」20%、「環境林」80%
奥山林まで無計画に拡大した人工林(経済林)を、時間をかけて上記シミュレーションに近づける。

5.林業の成長産業化への取組
①生きた森林づくり
需要拡大策:大規模木材加工工場の誘致
・内陸型合板工場の誘致に成功
~合板工場は、一般に外材を加工するため海沿い立地が多い。岐阜県では、県産材・国産材100%の合板工場誘致に成功した。
県産材活用:A材 10万m3~構造材及び内装化粧材、B材 10万m3~合板等に加工、C材 5万m3、D材 9万m3~木質バイオマス発電で1万世帯分の電力を賄う。
②林業の成長産業化のポイント
・「伐採~植林~育林」のサイクルを正常に回せる体制を構築する事。
~生産者にとって植林・育林のコストが課題。
・需要(販路)の拡大。
・林業の担い手育成と人材確保。
③恵みの森林づくり
・県民生活と森林の関係を、県内企業や学校等を通じて、森づくり・森林環境教育を展開。
・森林環境税~1.000円/人・年で、約12億円を森林整備事業等に活用。
・子どもたちに、木育の推進。
~岐阜 木育30年ビジョン、木のおもちゃ貸出、木育推進委員による木育教育、H29年度に「岐阜おもちゃ美術館」建設。
・木質バイオマスエネルギーの供給。

6.現状と課題
人工林 34.1万haの内、10齢級が50%以上と成熟化が進んでいる~利用促進が課題。
伐採後の「植林」が進まない~植林等のコストダウンが課題。
川上の素材の安定供給~生産者の供給能力向上も課題。
川下の需要拡大~出口戦略
①県内の住宅着工数の76%が木造住宅。
~県産材仕様のメリット(県補助金)をPR!
②非住宅は、内装材に県産材を取り入れるよう推進。
③海外への販路拡大

7.林業の成長産業化
①施業の集約
森林を集約化し、事業者に経営を委託。受託事業者は所有者に利益を還元し、林業の経営効率化を図る。
小規模森林所有者を、いかにまとめるかがポイント!
問題点:不在所有者、境界不明物件への対応。
森林経営計画・・・目標20万haだが、半分の10.6万haで未達。要因は、所有者不明、不在、境界不明など
②路網整備
林業の活性化には、路網整備が不可欠。
作業道の延伸計画は、目標の140%達成と積極的に取組んでいる。
③高性能林業機械の導入
高性能林業機械は、林業現場の安全対策上も効果が期待。
国の補助金を活用して、県は現在184台保有。
この事で、生産量の増加と生産性向上を図っている。
④林業技術者の育成・確保
5年間で100名育成~毎年2名を欧州派遣。
⑤皆伐の推進
経済林の活性化、林業に成長産業化には、「皆伐と植林」の取組が持続型・循環型林業の形成に重要。
高齢級林の皆伐後、植林による新たな森林形成を推進~再造林には、植林等への補助金拡充やコストダウン、更に木材価格の上昇・維持の取組が不可欠。
⑥補助事業
再造林への補助金は、国庫補助金が68%のみで、生産者負担が大きい。
県は、独自に上乗せ補助金(国と合わせ85%)を決定し、生産者負担を軽減。
大分県で実施している「民間の基金」活用等参考に、生産者負担を10%程度にする取組が必要。
⑦獣害対策
シカの被害は、毎年60ha。皆伐・再造林を進める上でも、獣害対策は不可欠。
⑧苗木供給体制
住友林業が、年間31万本の体制で供給。

8.人材育成と人材確保
1)人材育成
①森林技術者
目標1.220名で、H27年は947名。定年や転職者で減。
現状、平均年齢は46.3才。
②施業プランナー
森林経営計画の策定及び管理等
③作業道オペレーター
④フォレストワーカー
フォレスター認定者40名、市町のマスタープラン作成指導等に当たる。
2)人材確保
①農林系高校生
山しごとインターンシップ事業
②森林文化アカデミー
エンジニア科~就業準備給付金制度
150万円/人・年を2年間
③林業への転職者促進支援
短期研修(20日間)~基礎学習・林業演習、木こり養成塾、林業機械オペレーター養成等。

9.地域森林監理士の育成
森林行政は、市町の役割が重要。
市町には、伐採届けや森林経営計画が提出されるが、自治体内の森林の健全な利活用が出来ているか監理する専門職員が必要。
県は、そうした林務行政を担える、専門職員の育成に力を入れる。

10.その他
林業の6次産業化、成長産業化を推進する上で、森林法の改正が必要との話が出た。
後日、改正すべき森林法の内容を調査したい。
国産材の価格は、適正価格化及び安定化が不可欠。稼げる林業の基本。



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