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■2016年 政務活動報告
5月29日、上三川街道の舗装が痛み、住民の皆様から騒音や振動の苦情が・・・
県土整備部道路保全課と協議後、宇都宮土木事務所の詳細調査を経て、この度県道の改修工事が完了しました。
周辺住民の皆様から、「振動が解消し安眠できる」「静かになって良かった」等の喜びの声を頂きました。
10月14日、石井団地自治会の皆様から、自治会活動を支える施設の維持に関して、行政の応援を要請する声があり現地を調査。
【経緯】
石井団地自治会は、約30数年前に開発された分譲地に約300戸の家が立ち並ぶ地域。
当時、開発要件の公園は確保したが、分譲完了後の自治会活動については全く配慮されておらず、当初から自治会の集会所や災害時等の備品収納倉庫などの問題があった。
【現状】
集会所:5年前に県住宅課の許可を取付け、隣の県営平松住宅内の集会所を共用。
倉庫:宇都宮市石井団地児童公園内中央に、26m2と10m2の物置を設置。〜27年度迄は宇都宮市の許可があり、今回更新に当たって規模縮小か移設を命じられている。
※問題は、宇都宮市の公園管理規定で、公園内の建築物は10m2以下の面積制限があり、現在の物置は違反している点。
【対応】
①物置の規模を10m2以下に改修する
②物置を公園外に移設する
→現在の物置は、しっかりしたプレハブだが、半解体でのリフォームは困難。
→公園外に移設するには、隣の県営平松住宅の敷地内しか無い。
【対策案】
①宇都宮市・・公園管理規定の例外として取り扱えないか?〜現在の設置場所から南端(目立たない場所)移設で認可できないか?
②栃木県・・・石井団地自治会の地域活動を支援する意味で、平松住宅敷地内の空きスペースを物置の移設場所として協力できないか?
以上、宇都宮市及び、県住宅課と対応を協議したい。
10月2日、近隣住民の要請で、河内中学校の通学路の安全点検を実施。
同中学校の南通学路は、隣地の繁茂した樹木の枝が道路を覆い通行に支障。
樹木の枝払い等、通学路の安全対策を講じる必要がある。
宇都宮市道路保全課と連携し、生徒の通学路の安全対策を万全にしたい。
公明会派県外調査3日目、神奈川県庁と長田病院を訪問。
神奈川県庁
1.県公共施設の見える化について
説明者:総務局 財産経営部 施設整備課
村島課長、佐藤さん
①公共施設の管理
これまで公共施設は、古くなり使えなくなったら壊して建て替える、スクラップ&ビルドを繰り返してきた。
しかし、これからは、公共インフラを含む膨大な公共施設が一斉に老朽化を迎える事から、スクラップ&ビルドから「ストック」へ移行している。
つまり、公共施設を長寿命化させ、公共施設にかかるコストを抑えようと言う考え方。
②県有施設長寿命化指針
・計画修繕〜59の施設を5グループに分け、劣化や耐震診断の結果を基に修繕計画(優先順位)。5年毎に修繕予算を取り、雨漏り・耐震等の対策を講じる。
・LCCの削減〜ファシリティマネジメントの推進。
③公共施設の見える化
平成25年、公共建物をはじめ、道路、橋梁、港湾等全ての公共施設を診断し数値化。この結果を県民に公表、全国初の取組となった。〜築後30年超が過半数!
・公共施設総合マネジメント計画は、今年度中に整備完了予定。
・見せ方〜箱物などのハード及び、道路・河川・港湾等の維持修繕費を、部局毎に算定し、全体をまとめる形で公表。
④維持修繕コスト算定に関わる与件
屋根・外壁・天井・内装・電気・水回り設備など各部位ごとに、耐用年数を決めコスト単価を策定し平米数を掛けて割り出す。
⑤維持修繕コストの現状と推計
平成24年
・箱物1292施設:120億円(30%)
・都市基盤施設 :294億円(70%)
将来推計〜平成45年がピーク!
・箱物→1兆2390億円
・基盤→1兆 385億円
※公共施設のマネジメントのポイントは、躯体(ハード面)の長寿命化と強度アップと、設備のユニット化による更新のし易さ確保。
⑥県有地・県有施設の財産経営戦略の取組
・総量の削減〜建物性能・立地性能をベースに削減
・LCCの削減〜修繕・建設・維持管理経費の削減
・価値の向上〜公共施設の総量が減っても、県民への行政サービスは上げなければならない。バリューアップと言う考え方。
ex)トイレ
洋式、暖房・洗浄、車椅子対応、多目的等、県民や観光客に配慮したトイレの創造〜県民や職員にアンケートを取り、リニューアルし大好評!
ex)舗装
駐車場など、カラー舗装で区分を明確にし、障がい者や妊婦に配慮を強化。
2.ヘルスケアICTの推進について
説明者:政策局 ヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室 未病産業・ヘルスケアICT課
兄内課長
①ヘルスケア・ニューフロンティアの推進
1970年、ピラミッド型だった県内人口は、2050年には逆ピラミッド型になり若者が高齢者を支えられなくなる。また、医療費ももたなくなる。
そこで、ヘルスケア・ニューフロンティアを推進し、超高齢社会を乗り切ろうと取組んでいる。
キーワードは、「未病」。
②未病とは
一般に、健康/病気・・・「病気でないのは健康、健康でなければ病気」と考えがち(西洋医学的)。
未病と言う考え方は、健康か病気かの極端な区分けでなく、「健康」と「病気」の間に「未病」と言う状態があると認識(東洋医学的)し、新たなヘルスケア産業を創出する。
・未病改善〜目的:健康長寿日本一、手段:新産業・新市場の創出、結果:地方経済の活性化
③健康寿命とは
健康寿命とは、日常生活が制限される事なく営めること。
現在、平均寿命と健康寿命の差が10年以上、つまりこの差の期間は「介護や看護・入院」の期間。
健康寿命を伸ばし、生涯を通して自分の事は何でも出来、積極的な社会参加を実現。これが、追求する理想。
④未病コンセプトに基づく取組
・未病産業の創出〜ヘルス産業と分けている
〜身体の状態を良くしていく〜維持管理、モニタリング、クラウド化、科学
・未病エビデンスの確立〜未病の根拠を確立する為の取組
〜今の生活パターンを続けると、将来はこうなりますよ。と言った警告!
・未病の概念の普及〜未病についての教育・啓発活動
⑤未病産業
・TOTO〜トイレ・・・健康情報を収集、ビッグデータを病院に発信
・MIMOSYS・・・電話の声から、健康状態を診断
・味の素〜アミノインデックス・・・少量の採血で癌リスクを判定
※現在、未病産業研究所には、医療関連企業だけでなく旅行、広告代理店など多彩な企業397社が会員になり、セミナーやビジネスマッチング、モデル事業などを実施している。
⑥未病産業のブランド化
ME-BYOブランドの構築〜国際商標登録済み〜未病を世界に発信!
ロボットスーツHAL、MYCODE、脳梗塞リスク評価サービスなど
・ICTとME-BYOハウスラボ
〜ウェアラブル端末・Iot・ロボットを連動させ生活者の健康情報を集約・分析。
・シンガポールの公共住宅プロジェクトに、付加価値として「ME-BYO」を提案。
・マイME-BYOカルテをスマホで!
〜電子母子手帳をME-BYOカルテに連動させ、生まれてから生涯に渡り健康データを蓄積。ME-BYOカルテは、災害時や緊急時に活用。
⑦今後の方向性
・市町村や企業との連携強化で、ME-BYOカルテを普及。
・マイME-BYOカルテのデータ活用
〜災害時の行政対応、企業の健康経営の取組支援
・マイME-BYOカルテの普及目標
〜平成28年 1万人→29年 5万人→32年 100万人の登録へ!
・小中高の教育の中で、未病教育を浸透させる。
・税制や健康保険料に、未病への取組を反映させる。
・未病を通し、健康長寿と経済の活性化、100歳・社会参画計画を実現。
3.地域課題解決や活性化に取組む県民の学びの場づくりについて
説明者:かながわ県民活動サポートセンター ボランタリー活動サポート課
田中課長、菅尾主査
①かながわコミュニティカレッジの取組
コミュニティカレッジの目的は、地域課題解決の人材育成と地域活性化を推進する人材育成。
「地域社会に役立ちたい」「何か活動がしたい」と言う人の為に、学びの場を提供し地域活動に活かす実践教育を行う。
当初は、公設民営で行なって来たが、平成27年度から民営化した。
現在は、県が委託したNPOが主体で講座を開いている。
コミュニティカレッジは、かながわコミュニティカレッジ運営委員会が推進。委員には、有識者も加わりカリキュラムや運営全般を検討。
②県が育成すべき人材
中核人材とは、NPOや地域、自治会等を支援する人材、コーディネートできる人材のこと。
具体的には、地域で活動できる人材、地域支援をコーディネートできる人材、地域支援の担い手を育成できる人材、ボランティアやNPO等を立ち上げ活性化できる人材の育成。
③講座一覧
・一般講座〜18本
・連携講座〜17本
・特別講座〜1本 合計36講座
④委託業者
委託契約は、延べ受講数4800人をベースに、4800人×750円×講座コマ数で委託料を算定。
業者は、受講生を増やせば、運営費が増加し運営が楽になる仕組〜インセンティブが効いたシステムだ
⑤コミュニティカレッジの目的
地域には、福祉、教育、災害、環境など様々な課題がある。
コミュニティカレッジは、行政の都合の良いボランティア人材を育成するのではなく、あくまでも地域の人達が助かる取組を重視。地域発の人材育成を進めている。
受講生が受講後に地域活動に付くのは、約70%で30%は未活動。行政は、地域活動を強制出来ないので、受講生を増やす事で地域活動できる人材を増加させようと取組んでいる。
⑥今後の取組
県と市町村の関係は、計画策定後に対応するので、役割分担や連携が弱いところがある。
地域の為に貢献できる人材育成と言う観点で、県も市町村も団結して協力体制を取って進めたい。
長田病院
説明者:
4.各種介護ロボット・アシストの活用実証について
①治療の現場を視察
・CYBERDYNE社の「HAL」〜下半身麻痺のリハビリ、歩行支援
右半身に麻痺がある患者さんのリハビリ
HALは、患者の筋肉の動く際の電気信号をキャッチし、動作を補助するマシーン。
HALが感知するデータは、PCに表示されリハビリに活用する。同時に、そのデータはつくばみらい市のCYBERDYNE社に転送され、HALの進化に使われる。
②器具装着体験
・フランスベッドの「NESS」
〜腕、手、足のリハビリ
手や足にNESS(パッド)を貼り、コントロールスイッチを入れると電気刺激で筋肉が収縮。麻痺した手足も動く。
自然に足が前に出る、手が開くなど動く感覚を思い出す効果がある。
・RT.ワークス社の「ロボットアシストウォーカー」
〜歩行支援
手押し車だが、軽く押すとグイグイ進み、坂道でも楽に登れる。
速度は制限でき、傾きや転倒時には警報が鳴る。GPSも搭載。
・その他、転倒しない車椅子、歩行支援の補助具など視察。
※ロボットや器具については、神奈川県のように官民協働の取組が求められる。
公明会派県外調査2日目、静岡県庁を訪問し商工振興課から説明聴取。
説明者:静岡県経済産業部商工業局商工振興課 三須課長、池谷班長
ふじのくにCNF(セルロース ナノ ファイバー)プロジェクトの推進
1.CNFの動向について
CNFは、木材及び全ての植物細胞壁の骨格成分で、繊維をナノサイズ(100万分の1)まで細かくほぐす事でバイオマス由来の新素材となる。
・CNFは、北欧・北米・日本の森林大国で研究が進んでおり、最近では中国もCNFの特許申請等を進めるなど研究を進めている。
・木質繊維をナノレベルまでにするには、かなりのエネルギーが必要で素材生産コストが高いのが現状。
・近年、東京大学の磯貝教授の研究で、低エネルギーでCNFを作ることに成功〜今後の普及に期待。
2.CNFの国の動向について
日本再興戦略の中の「林業の成長産業化」〜マテリアルの利用促進に位置づけられる。
CNFは今までに無く、経産省、農水省、林野庁、環境省が横断的に体制を組んで取り組んでいる。
・経産省は、オールジャパン体制でのコンソーシアムを推進し、素材生産課が「CNFフォーラム」を設立。
・CNFフォーラムは、CNFの全国普及と新素材・新産業の開発を目的にしている。
・ISO認証の推進〜CNFの標準化について国レベルで進めている。CNFの用途や安全性など、国が主導し地方の取組と連携している。
3.CNFの特性について
①重量は鉄の5分の1
②強度は鉄の5倍
③ガスバリア性が高い
④熱膨張性が低い
⑤環境性
4.CNFの全国的な動きについて
川上のCNFの素材生産は、大企業主導で数ヶ所のプラントが稼働。
CNFの可能性は高いが、具体的にどのような製品に活かせるか?どの分野の産業に貢献できるか?は、これからの研究開発にかかっていると言える。
したがって、静岡県庁をはじめ愛媛県などCNFに熱心な県が増える事が大事。
5.静岡県がCNF産業を進める背景について
①県内の森林資源〜49.8万ha(全国13位)
②製紙工場が集積する立地
→これらの事から、CNFに積極的に取組み「ふじのくにCNFフォーラム」を15年6月22日に設立。
⚫️ふじのくにCNFフォーラムの推進体制
知事を会長に、大学・学術関係者を顧問に、県内外の企業・大学・国・産業支援機関と連携する体制を整備。
6.平成27年度の実績について
・セミナー2回開催
・技術講演〜CNFの研究・用途開発等の講演 3回
・実習に10企業参加
・企業マッチング〜CNFサンプル企業展示会
・研究開発
7.平成28年度の計画について
・情報発信、実習機会の提供
・技術支援体制の強化
〜富士工業技術支援センターと工業技術研究所にCNFコーディネーターを配置
〜大学との連携強化・磯貝研究室への職員派遣
〜産総研と県内企業の橋渡し・・・産総研イノベーション コーディネーター
・研究開発〜物性調査
〜インクジェット紙への応用
〜塗料・接着剤への応用
8.その他 CNFについて
①CNFの製造単価
現在、kg当たり5000円と高額。研究の成果を生かし、1000円程度に。製品としての採算では、500円程度までコストダウンが課題。
現在、カーボンファイバーは3000円/kg。これと比較すると、CNFの実用化及び汎用性は高いと言える。
②川上から川下のCNF
川上:CNF製造・・・静岡県内には無く、大企業が数ヶ所国内で生産
例えば、大王製紙が四国でプラント完成。
川下:CNFを使った製品等の開発・・・ここに力を入れている!
※CNFの製造は大企業主導だが、大企業が求めている「需要」を地方がづくり出すことで、地方創生に結びつけられる。全国的に取組むことで、用途を拡大しニーズを提供する事でチャンスは広がる!
※CNFは、世界規模の競争。オールジャパンで、産業界・行政・大学等学術機関・金融等の協働の成果を世界に示す一大産業にしたいものだ。