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■2017年 政務活動報告
2017年8月4日  佐賀市・佐賀県農業試験場視察調査

8月4日、佐賀市及び佐賀県農業試験研究センターを訪問し、以下のテーマで政務調査しました。

Ⅰ.ICTを活用したスマート農業導入実証事業について
説明者:農林水産部 農業振興課 中山課長、地産地消推進係 原口係長、山領ファーム 山領社長

Ⅱ.IT農業三者(産・学・官)連携協定の取組について
説明者:佐賀県農業試験研究センター 広田副所長、他職員、(株)オプティム   瀬戸マネジャー他

[調査内容]
Ⅰ.ICTを活用したスマート農業導入実証事業の取組

1.佐賀市の農業概要について
・総人口  235.534人
・農業人口  9.049人
・総世帯数  97.421人
・農業世帯    3.027人
・耕地面積    4.711ha
〜いちご(さがほのか)、玉ねぎ(北海道に次ぐ全国第2位)、ハウスみかん、ビール麦、トマト、キュウリ、アスパラガス等、積極的に農業の産業化に取組んでいる。

2.スマート農業導入実証事業の目的について
〜輸出拡大の為、GAP認証取得を目的に、ICTを活用し「土壌中の環境測定」「作業管理システム」の導入を通し、栽培管理等に活かす実証実験に取組んでいる。

3.事業主体について
1)佐賀若手生産者コンソーシアム協議会
・構成:生産者5名、佐賀市、(株)ファンガレージ、(株)ルナファーム
・内容:研修会、事例展開等
2)市の役割
①研修会の充実
②実証効果を普及する為に、取組の情報・技術等を生産者に提供

4.スマート農業導入実証事業の内容について
1)スマート農業
・農場にセンサー設置→・センサー情報をクラウドに蓄積→・データの分析・解析→・スマートフォンで確認

2)目的
①高付加価値化
・若手営農者が多い「玉ねぎ」栽培の支援〜ノウハウの見える化!
②効率的・効果的で持続可能な農業経営の実現
③輸出促進〜Global GAP認証取得

3)事業期間と年度別の取組
①平成26年度
・ICT機器・システムの導入
〜気温、地温、水分量、電気伝導率(EC)、日照量等を測定
・人材育成
〜土壌づくりの専門研修、Global GAP認証取得に向けた研修
②平成27年度
・ICT活用のスマート農業の実証
〜アグリノートの採用・・・圃場管理システム(使用料ゼロ)
・Global GAP認証取得
・人材育成
〜ICT機器の操作研修、生産性向上研修、高付加価値化研修
③平成28年度
・ICT活用によるスマート農業の実証
〜情報の計測、蓄積、分析
〜センサー、キット、システムの検証
・効果測定
〜効率向上、高付加価値化・・・多様な顧客ニーズに対応→東京大学の専門家に指導依頼
・販路拡大
・実証成果の普及

4)成果・効果
①作業効率の向上
〜課題は土壌管理・・・土壌中のCO2濃度や菌の活性化などバランスがポイント
②Global GAP認証取得(平成28年6月)
〜海外出展2回(シンガポール、台湾)

5.今後の展開について
①ドローンによる、稲の害虫「ウンカ」発生の早期発見
②IT農業研修の開催
③事例報告会
④ラムサール地内の米のブランド化

6.意見交換
①2020年の海外旅行客への食の提供
〜オリパラは夏なので、佐賀の夏の農産物(米、アスパラガス等)を戦略作物として売り込みたい。
〜Global GAP、アジアGAP、都道府県GAP→佐賀県GAPは農水省の認証を取得!
②農産物の輸出での課題
〜海上コンテナ輸送では、農産物の品質安定技術が遅れている。
〜保存剤がキーポイントだが、海外では標準になっている「保存剤使用」が、日本では認められていない。海外とのギャップ。
〜作物への品質要求レベルについては、例えば「トマト」では、日本は甘く大きいものが良しとされるが、毎日トマトを使うヨーロッパでは、鈴なりのもので甘くなく、安価なトマトが好まれる。
③生産性を安定させるポイント
〜ICTで、天候や自然環境に左右されない「強い土壌づくり」が出来ることが最大の期待するところ。
④Global GAP認証取得のメリット
〜特にない。
〜海外では当たり前で、逆にGAP取得コストの価格転嫁を心配される。
〜海外マーケットは、農薬を使うことより、肥料の過剰使用に問題意識を持っている→硝酸残留値など、肥料の使い方をチェックされる。

Ⅱ.IT農業三者(産・学・官)連携協定の取組

1.佐賀県の農業概要について
・県土の2%が耕地で、農産物年間産出額は1.303億円
・特産は、佐賀牛、ハウスみかん、いちご、二条大麦、アスパラガス、玉ねぎなど
・米は、さがびより
・ハウスみかんは、香港等に輸出

2.佐賀県「食」と「農」の振興計画について
・県民条例第29条に基づき、2015年度より計画
・担い手育成を目標に、農業生産の効率向上、魅力ある農村づくりを目指している
・担い手の育成
〜目的別研修、OJT研修、スキルアップ研修等の実施
〜トレーニングファームの整備
・ICT技術で、データの見える化、高収量、高品質を実現
・水田のフル活用を推進
・農家所得の確保と農村活性化
〜農村の魅力磨き上げ、農作物ブランド化による農業ビジネス創出戦略

3.三者連携ビジョンについて
①世界一の農業ビッグデータ地域に!
②ウェアラブルでつながる世界一楽しくかっこいい農業!
③世界一安全安心で美味しい農作物!
→クラウドの活用

4.ICT農業への取組について
・新栽培技術による省力化〜直播き栽培
・ICTによる省力技術の実証〜水管理
・ロボット等による省力技術実証
〜ドローン、畦畔除草ロボット、アシストスーツ
・水位センサー精度検証
・自動制御システムの開発
・農作業等の遠隔操作・指示による技術
〜ウェアラブル端末を活用し、遠隔操作の技術向上を図りたい
・マルチコプター(ドローン)を活用した圃場モニタリング
〜画像解析、自動飛行、水管理、害虫発生早期発見など検証中

5.IT農業への取組について
①(株)オプティム
・企業理念「ネットを空気に変える」
〜現在のインターネット環境を、空気のような当たり前の絶対不可欠な環境にリードする
②農業の課題
・高齢化と担い手不足
・技術伝承の難しさ
〜若手農業者等へ、農地の集約が進む
→IT農業は、大規模化される農業の未来に、農業経営の効率化をICTやIoT技術で支援!
③トライアルフィールド
・実証実験が不可欠〜三者連携
・ビッグデータ収集〜水田の管理ニーズが高い→ウンカ対策等
・GAP認証

6.意見交換
・水位センサーの課題は
〜測定が1時間おきの為、大雨な豪雨災害時の対応が出来ていない。

7.農場現地視察
・ドローンによる作物の上空観察
・動画や写真による情報収集
・ドローンの自動飛行
・360度カメラ搭載のロボット性能

※ICT農業の取組は、まだ緒についたばかりだが、日進月歩でその技術は向上する。大事なことは、積極的に新たな 分野への挑戦だ。
今回の調査では、本県が取組むべきポイントが明確になった。今後の栃木の農業に活かして行きたい。

2017年8月3日  福岡県庁にて政務調査

8月3日、福岡県庁にて以下の政務調査を実施しました。
I.IoT産業振興プロジェクトの取組について
説明者:商工部 新産業振興課 見雪企画監
Ⅱ.難病対策の取組について
説明者:保険医療介護部 がん疾病対策課 北林係長、筑紫保健福祉環境事務所 健康増進課 原野課長、筑後保険福祉環境事務所 健康増進課 石井課長

[調査内容]
I.IoT関連産業振興プロジェクトの取組

1.福岡県の産業について
・自動車産業が(栃木県同様)メイン産業
・ロボット及び半導体技術が集積されている
・妖怪ウォッチなどゲーム産業も強み
・プログラミング言語[Ruby(ロビー)]の生みの親〜軽量で早く省エネの特性を持ち、汎用性が高く全国に拡大!
→Rubyコンテンツ協議会には、730の会員企業がある
→これからは、新たな産業の創出が不可欠!・・・これらノウハウや地元企業の技術力を支援し、新産業に成長させる!

2.IoT推進ラボの取組について
①ニーズの掘起し
・IoTプロジェクト推進協議会
〜庁内に部局横断的に当協議会を設置し、各部局が抱える問題をIoTの技術を使って解決出来ないかニーズを吸い上げ!
→課題・ニーズは、国と連携し(人材派遣等)取組んでいる
※県の目標は、雇用確保と県内中小企業の業績拡大からの税収増加。その為に、IoTを活用して企業支援をしている。

②プロジェクトの推進
平成28年度、飲酒運転防止システム、介護予防ゲームの開発、茶園場のIoT運用支援システムを完了。
平成29年度、農産物(あま王)栽培のIoT化、乾ノリ生産支援システム、太陽光発電施設監視システムに取組む。
→弱者支援や社会問題解決のために、IoT開発に力を注ぐ

3.IoT試作検証工房について
・ノイズスキャナー、NC加工機、デジタルマイクロスコープ、電波暗室、HALT試験器、3Dプリンター、表面観察器等の最先端設備を装備。
〜当工房の隣接地に産業団地を分譲→即完売!

4.市場開拓支援について
・ビジネスマッチング
〜開発商品の出展等を支援!
・企業の資金調達や販路拡大支援

5.人材育成について
・IoT先進活用事例集の作成
・世界の人脈づくり
・IoTシステム研修会
→IoT関連産業を次期基幹産業に!

6.今後の取組と方向性について
①災害対応へのIoT技術の導入を検討
②農業分野、ものづくり分野のさらなる進化
③行政ビッグデータの活用検討
④地元企業のセンサー技術、無線通信技術等の磨き上げ支援の強化

7.意見交換
①IoTプロジェクト推進協議会
〜年4回開催、勉強会、事例研究
〜各部局から課題吸い上げ→課題取りまとめ→課題の整理と方向性、プライオリティを決定→現地事業者、専門家、ソフト開発者等と協議→商品化・ビジネス化!

②あま王栽培へのIoT導入
〜最高ブランド構築・・・食味、色、大きさ、品質の安定と生産性の向上!
〜栽培農家の経営効率向上!
〜利益創出!

※大変、参考になりました。栃木県の取組に即活かせる項目が多く、有意義な調査でした。

II.難病対策の取組

1.福岡県の概要について
・人口 510万人、福岡市・北九州市は人口増加傾向!
・60市町村を、9ヶ所の地域在宅医療支援センターが網羅

2.福岡県難病相談・支援センターについて
1)九州大学内に難病相談・支援センターを置き、①重症神経難病ネットワーク ②小児慢性特定疾病児等自立支援 ③難病相談・支援 の対応を行っている。
2)難病相談・支援では、就労支援をハローワークと連携している。
※切れ目のない支援がポイント!
3)体制
・拠点病院〜往診36病院、精神科7病院
・基幹協力病院14病院、協力病院・診療所108施設
4)在宅医療推進事業
・緩和ケアを受けながら家族と暮らしたい〜在宅ニーズは81%
・家族がいない、負担をかけられない、医療体制がない等の理由で、63%は実現が難しい!
→希望する全ての難病患者の願いを叶えてあげたい!

3.保健所に「地域在宅医療支援センター」設置!
・地域の実情・状況に合わせた体制を整備〜9ヶ所
・筑紫地域〜人口、高齢化率、難病患者数、支援病院、訪問看護ステーション等に合わせ対応。
・組織〜健康増進課が難病の主管部署、保健師3名体制
・相談〜4000件超
・ボランティアも活用

4.難病対策地域協議会について
・難病法第32条のもと設置
・地域における難病患者への支援・情報共有、関係機関との連携、実情に合った体制づくりが目的。

5.意見交換
①難病患者との個別対応
②難病医療費の負担軽減策
③難病患者の就労支援
→医療費の支援については、栃木県が先行しているが、就労支援は課題がある。
〜福岡県のハローワークとの連携については、参考にすれべき!
〜佐賀県では、個別対応で就労支援を行っているらしく、後日詳細調査したい。

2017年7月21日  長野県庁での会派調査

7月21日、長野県庁にて、林務部、県民文化部、産業労働部より以下の3テーマで説明聴取。

テーマ1「森林県から林業県への政策について」
説明者:林務部 千代企画幹
1.長野県林業の現状
①素材生産   44.8万m3(全国13位)で、ほぼ栃木県と同数。1ha当たりに換算すると栃木県が群を抜いている。
②森林資源は豊富だが、販路拡大と供給体制整備が課題。
③担い手人材は横ばいだが、若返り傾向が見えてきている。

2.林業の変遷と現在の林業・木材産業
①木の文化の途絶え
日本の木の文化→戦後復興→不燃材需要→鉄・コンクリートの台頭→木材産業の衰退
②木の良さの再認識
木の特性〜断熱性、耐久性、加工性、軽量化、人に優しい
木構造の進化〜強度、大規模化
デザイン性〜有名建築家が木を採用
県産木材使用による地域経済効果
③県産木材利用促進の取組
・加工、流通体制の整備
・木質バイオマスエネルギー利用促 進
・公共施設への積極的な県産木材使用
・異業種連携での需要拡大

3.信州F・POWERプロジェクト
①大規模製材・加工工場立地支援
②木質バイオマス発電所支援
③林業先進国・オーストリアと学びの交流
④産学官によるスマート林業の開発
森林資源の現状把握にドローンを活用し、森林面積・樹勢・伐採期など正確に計測。

4.林業・木材産業の6次化
①有機林業活性化協議会で、県内5流域の川上〜川下の体制はあるが機能していない。
②川下のニーズに連動した川上の構築は課題。
③森林所有者の約20%は不明で、事業計画を阻害している→重要課題

5.森林税(県民税)の活用
①里山の入会地を対象に活用
7万haの内、約半分は手を入れた。綺麗に整備された山を見てもらい、森林所有者に林業へのやる気を喚起したい。
②税収6.5億円の使い道
間伐の搬出支援、条件を外し使い勝手の良い事業にする。
鳥獣害対策には、市町村均等割り。

テーマ2「信州産学官ひとづくりコンソーシアムの取組について」
説明者:県民文化部高等教育支援センター  春原課長補佐
1.長野県産学官協働人財育成円卓会議
①経緯
長野県立大学設立の議論の中で、若者の県外流出が話題となり、流出防止のための会議体として設置。
②内容
・人材の県内定着対策
・グローバル化の推進
・企業の後継者育成

2.ひとづくりコンソーシアムの取組
①インターンシップのマッチング構築
H.28年スタート、産学官で運営。
②海外インターンシップ支援事業
県内の大学・短大生に対し、県内企業の海外拠点にインターンシップを支援する制度〜ベトナム、中国など実績・効果を確認。

3.インターンシップの課題
①大学・短大で、インターンシップの位置づけに差が生じている。
〜カリキュラムに取込むよう推進!
②中小企業の場合、インターンシップをどう受入れたら良いかで迷う傾向がある。
→徐々に噛み合うようにしていきたい。

4.今後の取組について
①長野県大学収容力は、全国ワースト。Uターン率の低下傾向を、40%以上に戻したい。
②インターンシップ参加を、H.32年には2倍にしたい。
③学生のニーズと企業とのマッチングの進化が必要!
④「健康県ながの」を前面に出した企業の取組と学生のニーズ喚起する切り口も!

テーマ3「創業・就業支援の施策について」
説明者:産業労働部 創業・サービス産業振興室  丸山課長補佐、労働雇用課  早川課長補佐

1.創業の現在について
全国ランキング37位と低迷(栃木県は27位)
→全国一創業のし易い県にする!

2.アントレプレナー育成事業
①アントレプレナー(起業家)教育を、小学校の義務教育期間から実施。
②毎年、県内の小・中・高校から募集し、応募校から2〜3校を選定する。
③事業内容
・創業体験プログラムとして、民間の経営者から起業・創業について多角的に学ぶ。創業に対して、ハードルを上げる事が目的。
・創業体験プログラムの実例集作成

3.信州ベンチャー・コンテスト
①対象:一般、大学生、高校生
②応募:57件
③成果:昨年から、具体的な創業に向けた動きが目立ち始めた。

4.信州シュウカツ応援プロジェクト
①インターンシップへの助成支援
②Uターン就職協定校との連携
43大学と協定し、インターンシップを実施
③NAGANOで働く魅力発信事業
マッチングを県内外で実施。
学生・保護者用ポータルサイトで、就活情報・イベント・県内採用情報を発信。
④インターンシップ応援補助金
・対象:首都圏大学の学生
・内容:3万円/人を限度に助成
交通費、宿泊費
・条件:3日以上のインターン
・実績:昨年250名を支援

5.信州エクスターンシップ
首都圏学生約50名が、6泊7日の合宿体制で企業研究。グループ単位での企業研究は評価が高く、これに対し県が支援。
インターンシップに行く前に、複数企業にインタビューするなど、企業(行き先)研究することで、インターンシップの効果を上げている。
企業側も学生サイドも評判が良く、行政としても若者の県内企業就職が進む事で、三者ウィンウィンとなる。
→今後、対象人数を増やし、県内の大学・短大生も対象に加えるで、更なる成果を期待したい。

2017年7月20日  見附市の都市計画を調査

7月20日、新潟県見附市の「スマートウェルネス・シティみつけ」の取組について、総合戦略室・夫馬副主幹より説明聴取。

1.スマートウェルネス・シティ(SWC)みつけの淵源
平成14年の健康運動教室が原点、万歩計を用いた健康管理をスタート。データをかざすと、スポーツジムバイクの負荷等に連動するなど、健康づくりに活用。
毎年度様々な取組を進化させ、都市が存続できるモデル事業として、地域コミュニティを小学校区毎に10地域コミュニティを整備し、地域の特徴を活かした多彩な活動をしている。
また、SWC研究会では勉強会や成功事例を発信、市民に健康づくり意識を啓発。「健幸ポイント社会実験」や健康まちづくりの促進を積極的に進めている。

2.いきいき健康づくりの4本柱
①食生活〜日本型、地産地消
②運動〜体力年齢の若返りと医療費抑制
③生きがい〜ハッピーリタイアメントプロジェクト
④健康診断〜健康の駅 相談事業

3.SWCの推進
①SWC首長会議
「健幸」とは個人の健康と生きがい       を持ち、安全で安心な豊かな生活を営めること。
②健康になれるまち、地域が元気なまち、環境に優しいまち、健康を理解し行動する  をポイントにした取組。
〜歩きたくなるまちづくり、出かけたくなるまちづくり、雇用・仕事が充実し活気のあるまちづくり、ゼロ・エミッションの取組、喫煙防止講習会を小6と中1生に実施、健康フェスタ・郷土愛醸成、シニアボランティアなど多彩。

4.高齢者の外出を促すエビデンス
外出する・しないの差は、歩行不自由リスクが4倍、認知リスクが3.5倍等。

5.SWC・歩き易いまちづくり
①歩きたくなる快適な歩行空間の整備
〜歩行者優先の啓発、専用道路の整備、ベンチ、道路標示の工夫等
②公共交通の再整備
〜コミュニティバス:20分間隔の運行等

6.都市計画ゾーニング
市街化区域だけでなく、市街化調整区域でも中心地に人の流れ(移住)をつくる取組。
①計画的な住居地の誘導
→居住ゾーンを設定し、都市計画・行政サポートで市民を誘導。〜行政からのインセンティブ等で移住を誘導。
→長期展望に立った、計画的な事業推進がポイント。

7.人材育成
①地域サポーター〜市職員を派遣
②市長によるSWC勉強会〜市民参加で情報共有

※行政の事業計画は、ある意味全てスマートウェルネス・シティ構築に向かって実行されている。

※見附市の取組効果は、後期高齢者医療費抑制に如実に現れている。

2017年7月20日  雪氷防災調査

7月20日、雪崩事故調査にも参加している「雪氷防災研究センター」を訪問し、上石センター長より説明聴取。

1.雪氷防災研究センター施設
①屋外積雪観測エリア
積雪観測、エリア別積雪量、重量、農業用ハウスの強度観測など
②レーダー観測システム
降雪観測レーダー、現在は降雪エリア(5kmメッシュ)の特定及び積雪量の予測が主。将来的には、雪の形状や降雪エリアの絞り込み、雪崩予想の精度を上げたい

2.雪崩対策について
①多様降水レーダーの活用
どんな雪(形状)がどれだけの量降るかが分かれば、雪崩危険度が判定できる。その為には、レーダー観測の精度を上げることが不可欠。現在は那須高原に観測レーダーがあるが、複数ヶ所での観測レーダー設置が求められる。
今後、このレーダー観測情報と傾斜角30度以上の地形図をかぶせ、雪崩予測の精度を上げる。
②土木レベルの雪崩災害対策
山梨県の雪崩災害や奥鬼怒での災害事例、幹線道路にまで雪崩が流出し車両を巻き込む惨事が発生。雪国でない関東地方は盲点になる危険がある。
砂防設備・落石防止ネットを活用し、メッシュの細かいネットを雪崩防止ネットを兼用させる事も可能。
③雪山・雪崩の知識や情報の共有
パンフレットの作成、こどもから雪山・雪崩の知識を啓蒙。危険エリアに近付かない知恵や、対処方法などを学ぶ機会をつくる。
雪山防災啓蒙センター(仮称)、栃木県は山の日発祥の地であり、3/27那須雪崩事故を受け、山岳の魅力や自然の素晴らしさ、雪山の知識・情報、山岳に親しむ上での留意点、自然への畏敬や雪崩災害事例など、広く安全で楽しい山岳ライフを発信する拠点の設置を要望したい。
④雪山登山の三種の神器
雪崩ビーコン、スコップ、ゾンデ棒の装備は、雪山の入る者の必需品。
春山安全登山講習会であっても、雪山に入る場合は、必ず三種の神器の装着は義務付けるべき。

3.着雪対策について
照明のLED化で、降雪時に溶けずに着雪する被害が発生。対策は、人海戦術によるところが大だか、事例を検証し効率的な対策を検討している。

4.雪の成立ちと性質及び共同研究について
雪への変化は、「→雪の結晶→降雪→積雪→水(溶ける)→氷(凍る)→」のサイクル。雲の水蒸気が気温の変化で凍り、雪の核となる結晶ができ、成長して雪となる。
雪の性質は、季節型と低気圧型では異なり、特に低気圧型の降雪ではサラサラ雪になり雪崩誘発の弱層を形成する。
また、雪の状態の変化によって、多様な災害を誘発する。雪が、重い→軽い、硬い→柔らかい、湿っている→乾燥など。圧雪での建築物倒壊や、雪崩などである。
現在、共同研究は山梨県、群馬県等と行っている。

5.その他
雪崩については、行政上、部局を横断する事業。情報の発信は、部局が連携して一体で対応することが求められる。