2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
2014年 2013年 2012年 2011年 2010年

2017年8月4日  佐賀市・佐賀県農業試験場視察調査

8月4日、佐賀市及び佐賀県農業試験研究センターを訪問し、以下のテーマで政務調査しました。

Ⅰ.ICTを活用したスマート農業導入実証事業について
説明者:農林水産部 農業振興課 中山課長、地産地消推進係 原口係長、山領ファーム 山領社長

Ⅱ.IT農業三者(産・学・官)連携協定の取組について
説明者:佐賀県農業試験研究センター 広田副所長、他職員、(株)オプティム   瀬戸マネジャー他

[調査内容]
Ⅰ.ICTを活用したスマート農業導入実証事業の取組

1.佐賀市の農業概要について
・総人口  235.534人
・農業人口  9.049人
・総世帯数  97.421人
・農業世帯    3.027人
・耕地面積    4.711ha
〜いちご(さがほのか)、玉ねぎ(北海道に次ぐ全国第2位)、ハウスみかん、ビール麦、トマト、キュウリ、アスパラガス等、積極的に農業の産業化に取組んでいる。

2.スマート農業導入実証事業の目的について
〜輸出拡大の為、GAP認証取得を目的に、ICTを活用し「土壌中の環境測定」「作業管理システム」の導入を通し、栽培管理等に活かす実証実験に取組んでいる。

3.事業主体について
1)佐賀若手生産者コンソーシアム協議会
・構成:生産者5名、佐賀市、(株)ファンガレージ、(株)ルナファーム
・内容:研修会、事例展開等
2)市の役割
①研修会の充実
②実証効果を普及する為に、取組の情報・技術等を生産者に提供

4.スマート農業導入実証事業の内容について
1)スマート農業
・農場にセンサー設置→・センサー情報をクラウドに蓄積→・データの分析・解析→・スマートフォンで確認

2)目的
①高付加価値化
・若手営農者が多い「玉ねぎ」栽培の支援〜ノウハウの見える化!
②効率的・効果的で持続可能な農業経営の実現
③輸出促進〜Global GAP認証取得

3)事業期間と年度別の取組
①平成26年度
・ICT機器・システムの導入
〜気温、地温、水分量、電気伝導率(EC)、日照量等を測定
・人材育成
〜土壌づくりの専門研修、Global GAP認証取得に向けた研修
②平成27年度
・ICT活用のスマート農業の実証
〜アグリノートの採用・・・圃場管理システム(使用料ゼロ)
・Global GAP認証取得
・人材育成
〜ICT機器の操作研修、生産性向上研修、高付加価値化研修
③平成28年度
・ICT活用によるスマート農業の実証
〜情報の計測、蓄積、分析
〜センサー、キット、システムの検証
・効果測定
〜効率向上、高付加価値化・・・多様な顧客ニーズに対応→東京大学の専門家に指導依頼
・販路拡大
・実証成果の普及

4)成果・効果
①作業効率の向上
〜課題は土壌管理・・・土壌中のCO2濃度や菌の活性化などバランスがポイント
②Global GAP認証取得(平成28年6月)
〜海外出展2回(シンガポール、台湾)

5.今後の展開について
①ドローンによる、稲の害虫「ウンカ」発生の早期発見
②IT農業研修の開催
③事例報告会
④ラムサール地内の米のブランド化

6.意見交換
①2020年の海外旅行客への食の提供
〜オリパラは夏なので、佐賀の夏の農産物(米、アスパラガス等)を戦略作物として売り込みたい。
〜Global GAP、アジアGAP、都道府県GAP→佐賀県GAPは農水省の認証を取得!
②農産物の輸出での課題
〜海上コンテナ輸送では、農産物の品質安定技術が遅れている。
〜保存剤がキーポイントだが、海外では標準になっている「保存剤使用」が、日本では認められていない。海外とのギャップ。
〜作物への品質要求レベルについては、例えば「トマト」では、日本は甘く大きいものが良しとされるが、毎日トマトを使うヨーロッパでは、鈴なりのもので甘くなく、安価なトマトが好まれる。
③生産性を安定させるポイント
〜ICTで、天候や自然環境に左右されない「強い土壌づくり」が出来ることが最大の期待するところ。
④Global GAP認証取得のメリット
〜特にない。
〜海外では当たり前で、逆にGAP取得コストの価格転嫁を心配される。
〜海外マーケットは、農薬を使うことより、肥料の過剰使用に問題意識を持っている→硝酸残留値など、肥料の使い方をチェックされる。

Ⅱ.IT農業三者(産・学・官)連携協定の取組

1.佐賀県の農業概要について
・県土の2%が耕地で、農産物年間産出額は1.303億円
・特産は、佐賀牛、ハウスみかん、いちご、二条大麦、アスパラガス、玉ねぎなど
・米は、さがびより
・ハウスみかんは、香港等に輸出

2.佐賀県「食」と「農」の振興計画について
・県民条例第29条に基づき、2015年度より計画
・担い手育成を目標に、農業生産の効率向上、魅力ある農村づくりを目指している
・担い手の育成
〜目的別研修、OJT研修、スキルアップ研修等の実施
〜トレーニングファームの整備
・ICT技術で、データの見える化、高収量、高品質を実現
・水田のフル活用を推進
・農家所得の確保と農村活性化
〜農村の魅力磨き上げ、農作物ブランド化による農業ビジネス創出戦略

3.三者連携ビジョンについて
①世界一の農業ビッグデータ地域に!
②ウェアラブルでつながる世界一楽しくかっこいい農業!
③世界一安全安心で美味しい農作物!
→クラウドの活用

4.ICT農業への取組について
・新栽培技術による省力化〜直播き栽培
・ICTによる省力技術の実証〜水管理
・ロボット等による省力技術実証
〜ドローン、畦畔除草ロボット、アシストスーツ
・水位センサー精度検証
・自動制御システムの開発
・農作業等の遠隔操作・指示による技術
〜ウェアラブル端末を活用し、遠隔操作の技術向上を図りたい
・マルチコプター(ドローン)を活用した圃場モニタリング
〜画像解析、自動飛行、水管理、害虫発生早期発見など検証中

5.IT農業への取組について
①(株)オプティム
・企業理念「ネットを空気に変える」
〜現在のインターネット環境を、空気のような当たり前の絶対不可欠な環境にリードする
②農業の課題
・高齢化と担い手不足
・技術伝承の難しさ
〜若手農業者等へ、農地の集約が進む
→IT農業は、大規模化される農業の未来に、農業経営の効率化をICTやIoT技術で支援!
③トライアルフィールド
・実証実験が不可欠〜三者連携
・ビッグデータ収集〜水田の管理ニーズが高い→ウンカ対策等
・GAP認証

6.意見交換
・水位センサーの課題は
〜測定が1時間おきの為、大雨な豪雨災害時の対応が出来ていない。

7.農場現地視察
・ドローンによる作物の上空観察
・動画や写真による情報収集
・ドローンの自動飛行
・360度カメラ搭載のロボット性能

※ICT農業の取組は、まだ緒についたばかりだが、日進月歩でその技術は向上する。大事なことは、積極的に新たな 分野への挑戦だ。
今回の調査では、本県が取組むべきポイントが明確になった。今後の栃木の農業に活かして行きたい。

コメントは受け付けていません。