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2017年7月21日  長野県庁での会派調査

7月21日、長野県庁にて、林務部、県民文化部、産業労働部より以下の3テーマで説明聴取。

テーマ1「森林県から林業県への政策について」
説明者:林務部 千代企画幹
1.長野県林業の現状
①素材生産   44.8万m3(全国13位)で、ほぼ栃木県と同数。1ha当たりに換算すると栃木県が群を抜いている。
②森林資源は豊富だが、販路拡大と供給体制整備が課題。
③担い手人材は横ばいだが、若返り傾向が見えてきている。

2.林業の変遷と現在の林業・木材産業
①木の文化の途絶え
日本の木の文化→戦後復興→不燃材需要→鉄・コンクリートの台頭→木材産業の衰退
②木の良さの再認識
木の特性〜断熱性、耐久性、加工性、軽量化、人に優しい
木構造の進化〜強度、大規模化
デザイン性〜有名建築家が木を採用
県産木材使用による地域経済効果
③県産木材利用促進の取組
・加工、流通体制の整備
・木質バイオマスエネルギー利用促 進
・公共施設への積極的な県産木材使用
・異業種連携での需要拡大

3.信州F・POWERプロジェクト
①大規模製材・加工工場立地支援
②木質バイオマス発電所支援
③林業先進国・オーストリアと学びの交流
④産学官によるスマート林業の開発
森林資源の現状把握にドローンを活用し、森林面積・樹勢・伐採期など正確に計測。

4.林業・木材産業の6次化
①有機林業活性化協議会で、県内5流域の川上〜川下の体制はあるが機能していない。
②川下のニーズに連動した川上の構築は課題。
③森林所有者の約20%は不明で、事業計画を阻害している→重要課題

5.森林税(県民税)の活用
①里山の入会地を対象に活用
7万haの内、約半分は手を入れた。綺麗に整備された山を見てもらい、森林所有者に林業へのやる気を喚起したい。
②税収6.5億円の使い道
間伐の搬出支援、条件を外し使い勝手の良い事業にする。
鳥獣害対策には、市町村均等割り。

テーマ2「信州産学官ひとづくりコンソーシアムの取組について」
説明者:県民文化部高等教育支援センター  春原課長補佐
1.長野県産学官協働人財育成円卓会議
①経緯
長野県立大学設立の議論の中で、若者の県外流出が話題となり、流出防止のための会議体として設置。
②内容
・人材の県内定着対策
・グローバル化の推進
・企業の後継者育成

2.ひとづくりコンソーシアムの取組
①インターンシップのマッチング構築
H.28年スタート、産学官で運営。
②海外インターンシップ支援事業
県内の大学・短大生に対し、県内企業の海外拠点にインターンシップを支援する制度〜ベトナム、中国など実績・効果を確認。

3.インターンシップの課題
①大学・短大で、インターンシップの位置づけに差が生じている。
〜カリキュラムに取込むよう推進!
②中小企業の場合、インターンシップをどう受入れたら良いかで迷う傾向がある。
→徐々に噛み合うようにしていきたい。

4.今後の取組について
①長野県大学収容力は、全国ワースト。Uターン率の低下傾向を、40%以上に戻したい。
②インターンシップ参加を、H.32年には2倍にしたい。
③学生のニーズと企業とのマッチングの進化が必要!
④「健康県ながの」を前面に出した企業の取組と学生のニーズ喚起する切り口も!

テーマ3「創業・就業支援の施策について」
説明者:産業労働部 創業・サービス産業振興室  丸山課長補佐、労働雇用課  早川課長補佐

1.創業の現在について
全国ランキング37位と低迷(栃木県は27位)
→全国一創業のし易い県にする!

2.アントレプレナー育成事業
①アントレプレナー(起業家)教育を、小学校の義務教育期間から実施。
②毎年、県内の小・中・高校から募集し、応募校から2〜3校を選定する。
③事業内容
・創業体験プログラムとして、民間の経営者から起業・創業について多角的に学ぶ。創業に対して、ハードルを上げる事が目的。
・創業体験プログラムの実例集作成

3.信州ベンチャー・コンテスト
①対象:一般、大学生、高校生
②応募:57件
③成果:昨年から、具体的な創業に向けた動きが目立ち始めた。

4.信州シュウカツ応援プロジェクト
①インターンシップへの助成支援
②Uターン就職協定校との連携
43大学と協定し、インターンシップを実施
③NAGANOで働く魅力発信事業
マッチングを県内外で実施。
学生・保護者用ポータルサイトで、就活情報・イベント・県内採用情報を発信。
④インターンシップ応援補助金
・対象:首都圏大学の学生
・内容:3万円/人を限度に助成
交通費、宿泊費
・条件:3日以上のインターン
・実績:昨年250名を支援

5.信州エクスターンシップ
首都圏学生約50名が、6泊7日の合宿体制で企業研究。グループ単位での企業研究は評価が高く、これに対し県が支援。
インターンシップに行く前に、複数企業にインタビューするなど、企業(行き先)研究することで、インターンシップの効果を上げている。
企業側も学生サイドも評判が良く、行政としても若者の県内企業就職が進む事で、三者ウィンウィンとなる。
→今後、対象人数を増やし、県内の大学・短大生も対象に加えるで、更なる成果を期待したい。

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