11月5日、景観講演会『まちの見方・楽しみ方−栃木県内を中心に』と題して、東京大学先端科学技術研究センター・西村幸夫所長(教授)の講演が県庁内で開催。
一般的な『景観工学』の講義でなく、どのようにしたら街を楽しむ見方が出来るか?!と言う角度の講演。
かつての都市計画は、都市を近代化する事が主で、“今ある物を残す”と言う価値観は無かった。
今日の傾向として、若い世代からも“古い物を大切に”する変化がある事を歓迎。
講演の中で、宇都宮ほど良くできたまちは無い。と繰り返した。
理由は、物語性。具体的には、江戸時代から変わらない軸(道路・城址など)をベースにしながら新しい都市計画を発展させて来た事。奥州街道と言う江戸時代の目抜き通りを軸に、県庁−市役所、二荒山−城址公園を配置。釜川を二重構造にして洪水氾濫を防ぎ、同時に水辺で遊べる環境を演出。
これらの配置を基本に、駅、駅前通り、図書館・警察・裁判所など公共施設が計画的に整備されている。
日本中探しても、県都宇都宮の都市づくりは素晴らしいと言う。
この他、足利市、水戸市、浦和市の都市づくりの歴史と比較しながら、宇都宮が如何に物語性に富んでいる都市かを強調。
さらに、今後の都市計画、再開発計画の際には、歴史・文化と言ったソフトと、過去の都市計画の名残を継承し都市を計画するハードの両面を活かす事が必要と結論した。