1月15日、「地域包括支援センター」等の取り組みの調査で、熊本県と熊本市を視察訪問。
包括ケアのイメージは、医療・介護・予防・住まい・生活支援を施設と地域を連動的に機能させ、住み慣れた地域で住み続けられる社会環境。
行政の組織対応は、長寿社会局に高齢者対策課と認知症対策・地域ケア推進課を置き、市町村支援、認知症対策、地域ケア推進の各班を設置している。
地域包括ケアを機能させるには、①人材 ②拠点整備・運営支援 ③普及啓発支援 がポイント。中でも「人材」、訪問看護の推進とその人材育成がポイントと語る。
訪問看護は、看取りまで含め重要。
潜在看護師に対し、訪問看護として復帰を呼びかけ研修等の充実で、成果を出している。
また、条件不利地域での訪問看護ステーション立ち上げは重要であるため、初期投資に350万円、事業支援で毎月15万円を一年間補助している。
中山間地域の在宅サービス提供体制づくりは、自助・互助を基本に住民と話し合いサービス拠点、予防拠点を設置するなど、行政のきめ細かな対応が光る。
認知症対策では、熊本は長寿No.4で、高齢化率25.8%、高齢化率は更に上昇傾向。
認知症対策には、「医療体制」「介護体制」「地域支援体制」の3つの柱で取り組んでいる。
「熊本モデル」は、基幹型と地域拠点型からなるもので、熊本大学病院が基幹となり10の地域拠点病院と連携している。
特徴的な連携の形は、年6回の「事例検討会」。ここに医師・看護師・ケアマネージャーなど医療・介護・看護の専門職者が会し、全拠点から持ち寄られた事例を検討する。
認知症は早期発見が重要なため、この事例検討会を地域拠点病院毎にも実施(年3回)している。
更に、この検討会に地域のかかりつけ医の参加も推進している。
これら、体制整備や連携・運営が上手くいっている背景には、熊本大学病院の池田先生の存在がある。
また、①見守りでは、拠点を保育園跡などを活用し、お茶飲み会をしたり ②認知症地域支援推進員を市町村に配置 ③認知症家族の交流支援や、④気軽に相談できる、ほっとコールセンターやカフェ、認知症情報誌の発行などきめ細かい。
医療機関や関係者からなる事例検討会にも行政職員も参加するなど、黒子的な県庁・市役所職員の真剣さを感じた。