7月16日、3日目は青森県弘前市と、弘前大学での視察調査。
弘前市
調査テーマ:「分散型エネルギー」の取組み
説明者:スマートシティ推進室 西谷室長補佐、坪田主査
調査内容:分散型エネルギーの取組みについて
1.弘前型スマートシティ構想
弘前市は、人口18万人弱で人口減少傾向。岩木山や八甲田山など三方を山で囲まれた盆地で、夏は暑いが短く、冬は豪雪で長い。除雪に10億円の予算を投じている。
観光は、弘前城のある弘前公園まつり、弘前ねぷた祭りなど。現在、弘前城の石垣修復工事中で、天守閣の70m引き舞いは見どころ!
①スマートシティ構想の概要
弘前市の弱点は、エネルギー供給体制と積雪。そこで、分散型エネルギーを推進しながら、除雪の課題を解決できないかを模索。発電時の「電気と熱」を効率良く供給出来る体制〜スマートシティを構築できれば可能。
「豊かな資源を活用した 世界一快適な雪国 弘前」を基本方針に、「くらし」「エネルギー」「ICT」の3分野に8つのプロジェクトを立ち上げスタート。
2.分散型エネルギーインフラプロジェクトの概要
・想定エリアの中心地に「エネルギーセンター」を設置し、電気と熱を市街地の病院や宿泊施設、大型商業施設などに供給。段階的に、一般家庭まで供給したい。
・特色:①安くエネルギーを供給
②融雪に熱を使う
③バイオマスボイラーを併用
→弘前をコンパクトシティに!
・エネルギーシステム〜バイオマスボイラー、ガスコジェネ、ガスボイラー
・課題は、市単独では事業が大きすぎる。
①木質バイオマスのサブライチェーンの構築
②エネルギーインフラ整備のコスト負担
③エネルギー供給業者の選定〜事業採算
※インフラ整備は、地方創生の事業として国が主導することが求められる。
弘前大学
調査テーマ:産学官連携の地域人材育成と地域経済活性化の取組み
説明者:弘前大学 助教 松本博士
調査内容:果肉が赤いリンゴ「紅の夢」品種と商品開発について
1.弘前大学の取組み
14haの農場を活かし、第二の「ふじ」を目指しリンゴの品種改良にチャレンジ。
黄色のリンゴは、比較的手がかからず農家の生産性を上げるので、その育種をスタート。
その中に偶然、赤い果肉のものが出た!
品種:紅の夢、HFF33、HFF60、HFF63、弘大みさき、こうこうの6種。
表面・果肉の色のバリエーションや、大きさ、酸味・甘味の特徴を持たせている。
赤い果肉には、アンチエイジング効果のあるアントシアニンが含まれ健康に良い。
ジュースにしても絶品で、酸味の効いた爽やかなリンゴジュースに仕上がっている。
2.リンゴ産業をモデルとした大学COC拠点整備事業について
農場には、4500本のリンゴが栽培。弘大大学の文理連携により、生産、貯蔵、食品機能性、ゼロエミッションの取組みと、販売戦略、商品開発の取組みを融合させている。
「紅の夢」は、「全国から世界へ」をスローガンに、地域経済活性化、関連産業に関わる人材育成、そして第二の「ふじ」を実現に期待!
大変、有意義な内容でした。