11月6日、福岡県庁にて、水素社会への取り組みを調査し、九州大学水素ステーションを視察しました。
1.福岡県の取り組み
①福岡県が水素に着目した経緯
九州大学が、水素研究において世界有数であった事。
八幡製鉄所は、製鉄の工程の中で発生する水素の処分に困っていた事。
これら2つをコラボして、次世代エネルギー及び新産業創出につなごうと福岡県は取り組みを開始。
②福岡水素エネルギー戦略会議
平成16年、産学官連携事業でスタート。
戦略会議は、水素及び水素エネルギーの「研究開発」「社会実証」「人材育成」「新産業の育成・集積」「世界最先端の情報発信拠点」の5つからなる。
③FCVの普及と水素ステーションの整備
オールジャパンの戦略会議に対し、地元密着型で普及・ 整備を行うため「ふくおかFCVクラブ」を設立。
同クラブには、地元企業など262機関が参加。福岡県内で、FCVの普及の応援団になっている。
FCV車は、一台約700万円。経産省の補助200万円を当て、500万円で購入可能。PRを強化し、現在公用車等で30台。
福岡県では、タクシーにも展開し5台のFCV車が走っている。タクシーは、国交省の補助350万円に県から100万円を助成し、FCV車普及のフラッグにしている。
④水素ステーションの整備促進
現在、県内に10ステーションあるが、全て福岡市と北九州市に集中し県南には無い。
ステーションの設置コストは、5億円~7億円と高価。国は半分を負担するが、事業者負担は大きい。そこで、県も補助金を上乗せしているが、2億円弱の負担は事業採算に合うとは言えない。
⑤課題
・県南のステーション整備
・ステーションの設備投資コスト
・FCV車普及の遅れ
2.他県の動向
東京都、愛知県は、福岡県に続いて積極的で、神奈川県も財力を背景に積極推進。北海道は、風力がら水素エネルギーの変換に力を入れている。
山梨県は、山梨大学が九州大学に次いで水素研究の有名校と言うこともあり、着実な水素エネルギー開発を行っている。
海外の動向では、韓国やインドネシア、オーストラリアの諸外国が福岡県にアプローチ。
3.水素社会の未来
水素は、自然界に存在しないが、人工的に作ることが出来る。水素エネルギーは低炭素社会に欠かせないが、水素を作る過程で化石燃料を使用することが課題。
水素社会では、太陽光や地熱、風力、バイオマス・バイオガス等の再生可能エネルギーを利用して水素を作る。また、製鉄所や化学プラントから発生する水素を集め、水素ステーションに備蓄。
これらの水素を、車やボイラーのエネルギー源にし、循環型の低炭素社会を実現する。
水素エネルギー社会は、無公害で高効率なクリーンエネルギー社会。