調査テーマ:愛知県の観光戦略について
日時:平成28年4月8日
場所:愛知県庁内
担当:振興部観光局観光振興課 森田課長補佐、渡邉主査
[調査内容]
1.愛知観光戦略〜Heart of JAPAN について
愛知県と言えば、①自動車産業 ②航空宇宙産業 ③ロボット産業 と、ものづくり産業のイメージが定着。
新たな発展のポイントとして、第4の柱に「観光」を選定。
平成27年度、「あいち観光元年」を宣言し、庁内組織に観光局を新設。観光戦略中期計画を策定。
戦略の内容は、県内の地域資源を網羅する地域活性化に資する取組、産業や伝統と言った県の強みを活かした取組など多彩。
・観光局内に、観光振興課と国際観光コンベンション課を設置。
・キーワード・ロゴマークを制定
“Heart” of JAPAN〜Technology & Tradition
・昇龍道〜中部北陸9県からなる広域観光ルートをつくり、国内外にPR。
・海外には、中国・香港・台湾・韓国等にPR。
・県内の外国人向けには、多言語PR冊子「Aichi Now」を配布。
2.観光ブランド化推進について
戦国武将・信長、家康や、江戸時代の藩主の多くが愛知県出身を、愛知ブランドとして活用。
忍者の総元締め服部半蔵も愛知県出身と言うことから、忍者隊を募集。
今年は、外国人の応募も多く、忍者隊初のアメリカ人忍者が誕生する。
また、産業ものづくり県を活用し、工場見学やスタンプラリーと言った産業観光の取組。
首都圏向けには、webサイトを使った「こってり愛知」を発信。
3.あいち応援企業募集について
愛知県に事業所があり首都圏に本社がある企業、あるいは愛知県に本社があり首都圏に事業所がある企業に、愛知県を応援してもらおうと言う企画を展開。
4.意見交換
・知事のトップセールスの重要性
〜県のキャラクター「ひでっち」が多くの媒体に登場。ひでっち は、大村秀章知事の「秀」をもじったもの。
・おもてなし県民会議
〜2005年 愛・地球博 開催時に発足し、観光人材育成を推進。
〜観光を手段とし、観光を通して「まちづくり」を目指す!
・家康つながりで、日光市と岡崎市で観光コラボができないか?
・大河ドラマと観光振興の関係について
・大規模国際会議場整備の取組について
・多言語対応の取組〜ボイストラまでは行っていない。
・「道の駅」の観光スポットとしての位置づけについて
・県内の酒蔵(40ヶ所)巡りで、欧米人観光客をゲット
・滞在日数増加への取組〜着地型観光を推進
〜半日・一泊・2泊の観光プログラムを提供
・欧米人向けには、一週間程度のバカンスに耐え得るプログラムとインフラが必要。
・東南アジア向けには、パックツアーが主流。
[感想]
本県の観光誘客促進への取組に、大変参考になりました。
観光資源のピックアップやブラッシュアップが重要だと実感しました。
知事のトップセールスについては、徹底したアプローチが功を奏す事が改めて確認出来ました。
調査テーマ:ロボット産業振興・ヘルスケア産業振興について
日時:平成28年4月8日
場所:愛知県庁内
担当:産業労働部産業振興課次世代産業室 相澤室長補佐
[調査内容]
1.ものづくり産業の現状と庁内組織について
愛知県は、製造品出荷額は42兆円で全国No.1。(栃木県は、8兆円で11位)
愛知県は、産業振興に力を入れており、特に次世代産業育成に取組んでいる。
次世代産業室は、2つのグループからなり、航空宇宙グループとロボット・ヘルスケアグループがある。
2.ロボット産業への支援の取組について
ロボット産業は、生産ラインで使う産業ロボットが先行してきたが、次世代産業ロボットは、医療、介護、高齢者、補助具、通信など幅広い。
医療機・補助具分野では、歩行補助や手術支援、リハビリサポート。
介護・高齢者分野では、見守りやセラピーなどがある。
倉庫での荷物移動や介護現場での力仕事には、パワースーツが補助具として活用されている。
愛知県は、特に中小企業支援をメインにしている。
3.あいちロボット産業クラスター推進協議会について
知事を会長(トップ)に、委員会(企業、大学、経済団体、行政)を組織し、3つのワーキンググループで活動し、定期総会で成果を報告。
・ワーキンググループ〜①医療・介護 ②製造・物流 ③無人飛行
4.行政支援について
県は、設計研修や国際安全規格セミナー等の安全技術開発支援、企業と介護施設のマッチングや相談対応などを行うサービスロボット実用化支援を実施。
また、県単独で研究開発補助金制度も持っており、内容は以下の通り。
補助率〜中小企業は2/3、大企業は1/2
限度額〜中小企業は1億円、大企業は2億円 で、昨年度は160件の申込みで、約半数の78件が採択。
5.その他の支援について
①実証実験のフィールド提供〜県関連施設の無料提供
・愛・地球博記念公園
・名古屋港埋立地
・矢作川浄化センター
②近未来技術実証プロジェクト
・自動走行プロジェクト
・無人飛行ロボット実証プロジェクト
・リハビリ遠隔医療ロボット実証プロジェクト
〜東京都内での各種展示イベント出展支援
〜ロボカップ2017世界大会の名古屋誘致支援
③予算化支援
・ロボット産業クラスター推進事業〜1600万円
・リハビリ遠隔医療ロボット実証推進事業〜1600万円、ICTによる在宅医療介護
・知の拠点あいち重点研究プロジェクト〜11億7000万円:次世代ロボット社会形成技術開発、水素エネルギー社会形成技術開発、先進素材・材料・加工技術開発
6.健康長寿産業振興について
・メディカル・デバイス産業振興協議会➡︎メディカル・メッセ開催
・PMDA薬事戦略相談〜出張個別面談の開催
・福祉用具開発ネットワークの運営〜相談窓口の設置
※施設側のニーズに合った製品開発が出来るよう、開発段階から企業と施設が歩調を合わせ製品化する取組。
※県内施設127ヶ所を、県職員と外部委託コーディネーターが訪問し、マッチングの環境を整える。
[意見交換と感想]
・ロボット産業は、9.7兆円のマーケット〜将来的には、サービスロボットがシェアを拡大する。
・ロボット産業は、中小企業はメーカーにはなり得ないが、部品提供や加工技術で大きく飛躍出来る。
・介護施設側は、未だロボットを受入れる環境が整っていないため、行政の役割が大きい。
〜現段階のロボット導入は、安全性、使い勝手、時間のロスなど課題が多い。
〜介助者の負担軽減には、ロボット導入は不可欠。
・見守りロボットは、超高齢社会には不可欠〜ただし、プライバシーを重視する必要があるため、監視にならない配慮が不可欠。
次世代産業、ロボット産業の取組は、一朝一夕で成るものではない。
本県が更に飛躍する為には、ものづくり技術のレベルや、これまでの支援内容の検証し、栃木らしさの次世代産業振興に取組んでゆきたい。
愛知県の取組、大変参考になりました。