7月24日、群馬県にて、公共交通の充実、ICT救急医療、中小企業サポーターズ制度について調査しました。
1.自動車以外の移動手段も選択できる社会への取組について
1)概要
H.24年「ぐんま“まちづくり”ビジョン」策定
公共交通機関を充実させ、同時にまちのまとまりを創出
2)群馬県交通まちづくり戦略の背景
H.20年から「7つの交通軸」の整備・強化に取組む
パーソントリップ調査実施
~マイカー所有と外出の相関関係が如実!
マイカー所有率 77.9%、バス利用率 0.7%
3)戦略の概要
①多様な移動手段の確保への支援
~タクシーの相乗り、市町村が実施する交通実証実験への県の支援、公共交通空白地域の足の確保
②基幹公共交通軸(バス)の維持
・バス運行情報(時刻表)のオープンデータ化
~Googleでのバス路線検索等
・アプリ「ぐんま乗換コンシェルジュ」
・バス停留所の環境整備 ~民間協働
・自動運転技術の路線バスでの実験
・BRT
・鉄道利用の激減 ~30年後には▲37.9%↓︎
~小学生、高校生向けに、モビリティマネジメント!
→︎ マイカーからバスへ!
③まちのまとまりの形成での課題
・市街化調整区域の開発の問題
・市街化密集地域での空き家問題
4)BRT整備計画
①区間:館林駅西口~高崎駅東口 53.7km
②環境:停留所 17ヶ所、駐車場・駐輪場整備、
ICカード導入で利便性向上、低額運賃
2.ICTを利用した救急医療の向上について
1)施策のポイント
4つのシステムを統合
①広域災害・救急医療情報システム
②周産期医療情報システム
③救急搬送支援システム
④医療・薬局機能情報システム
→︎現場で必要な情報をタイムリーに確認でき、医療機関も予め必要情報を共有できる!
救急車・医療機関にタブレット・スマートフォンを配置し、ICTを利用したインターネットシステムを導入。
疾病者の画像等を伝送、テレビ会議機能、搬送困難事案発生時の一斉通報機能を追加
→︎救急搬送の効率化、救急医療の高度化に寄与!
なお、広域連携も可能(埼玉、栃木)
2)課題
①県境を越えた救急搬送システムの対応
②患者が重傷の場合など、多忙な救急現場でも有効にシステムを使える
③システムを利用する救急隊員の負担軽減
→︎埼玉県、栃木県(2019年度より)との連携
→︎スマートフォンシステムの導入
収容
3)救急搬送の現状
①人口減少の中、搬送数は増加傾向
②現場到着、病院収容所要時間は関東最短
③タブレット・統合型情報システム導入により、搬送効率アップ!
5.2% →︎ 1.6%
※災害救急医療機関の搬入キャパシティが把握できる
拠点病院 16、DMAT 17
~搬送人数により、搬送先を計画的に振り分けられる!
3.群馬県中小企業サポーターズ制度による産学金が連携した中小企業支援の推進について
1)事業目的と概要
H.22年7月に「中小企業サポーターズ制度」創設
①金融機関等を中心に、市町村の商工会、商工会議所、NPOが連携「企業を育てる」取組を展開
②サポーターがネットワークを活かし、経営支援を多角的に支援
2)サポーター・・・722名
群馬銀行、足利銀行など20の金融機関と、その他商工会など51の支援機関が連携
3)事業イメージ
中小企業の様々な課題・問題や、創業相談等、サポーターがネットワークを生かした支援を展開
4)活動内容
①サポーター協議会開催(1回/年)
②サポーターズミーティング(1回/年)
※成功事例の共有
③セミナー等情報収集・発信
※ メールマガジンで発信
④表彰制度
※ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、創業・事業継承の三部門
⑤群馬県経済部発行の「企業サポートガイド」を毎年度更新し、支援メニューをサポーターに提供
5)成功事例
創業支援 ~事業計画、資金繰り、補助金申請等多岐にわたる案件を、サポーターのネットワークを駆使して企業設立に至った
※中小企業の事業者は、補助金の情報、補助金申請の知識、手続きのノウハウがなく、支援を必要としている。
※県外から、中小企業や創業希望者を呼び込む「ツール」「装置」として、中小企業サポーターズ制度は非常に有効!
群馬県の取組は、大変参考になりました。
県が積極的に広域行政に関わる姿勢が、群馬県の力を引き出している感を強くしました。
栃木県が、強化しなければならないポイントです。
群馬県議会前にて
執行部より説明聴取
意見交換
質疑風景