7月25日、横浜市と神奈川県のSDGsの取組を調査しました。
1.横浜市のSDGs未来都市選定経緯と現在の取組状況について
1)これまでの取組
①地方創生への取組開始
・2019年 375万人をピークに減少推計
→︎北部エリアの開発により、人口は横ばい
・経済、環境、社会(生活)の分野で取組計画
・気候変動による、自然災害頻発
→︎防災・減災対策強化!
②SDGs未来都市への経緯
・2011年 環境未来都市 横浜
・2018年 SDGs未来都市 横浜
③成果
・花と緑と笑顔にあふれる都市実現
・企業と連携した多彩な取組
~エネルギー・マネジメント実証 HEMS
CO2削減 29%↘︎ 省エネ率 17%達成
・世界企業の進出~Apple JAPAN等
・研究拠点の誘致~資生堂、村田製作所等
・持続可能な郊外型住宅 ~エリアマネジメント
大規模市営住宅をリニューアルし、エネルギー、地域イベント、生活を総合的にマネジメント
・文化芸術創造都市実現
2)SDGsの取組
①環境・経済・社会の切り口で取組計画
②3つの切り口は17のゴールにリンク
3)ヨコハマSDGsデザインセンター
本センターは、環境・経済・社会の分野での課題の統合的解決を図る、横浜型「大都市モデル」の創出に向け、多様な主体との連携によって、自らも課題解決に取組む中間支援組織。
①ショートタイム・テレワーク実証実験
~ICT活用で、短時間勤務・職住接近を実現
②オンデマンドバス実証実験
~スマホで予約、快適なモビリティ環境実現
③資源循環型エコサイクルへの取組
~食品ロス、地産地消・直売、貸し農園等
④ウッドストロープロジェクト
~薄い間伐材を巻いてストローとし、海洋プラごみ問題に関心を持たせる
⑤この他、公園内に子育てローソンの設置等、社会環境を整備
2.神奈川県のSDGsの取組について
1)背景
これまで取組んできた「いのち輝くマグネット神奈川」の思想と、SDGsの思想が合致した事でSDGsの取組が加速。
いのちを輝かせるためには、医療はもちろん、教育、まちづくり、産業、労働、環境、共生、エネルギー、農業、食などの関わりが不可欠。
2)SDGsへの取組
2019年1月30日、SDGs全国フォーラムを開催。500人定員で募集のところ、1215人の参加者が殺到。
「SDGs日本モデル宣言」で、「私たち自治体は、・・」で始まる宣言を発表。①自治体セッション ②SDGsビジネス ③ライフスタイルの変革 を盛り込んだ。
3)普及啓発
①SDGs認知度調査結果とその後の取組
・19% ~認知度を上げる必要あり!
・鎌倉由比ガ浜にシロナガスクジラの赤ちゃんが漂着をキッカケに「かながわプラごみゼロ宣言」をクジラからのメッセージとして発表!
4)アクションプランかながわ
①目的:SDGsを「自分の事」として、自ら行動を起こす
②内容:SDGsの17のゴールに合わせ、企業・NPOの県内での取組を紹介。一つの取組は、複数のゴールに繋がるというSDGsの特徴を伝える。
③配布:市町村、小学校、県立学校
例)残った食べ物(フードエコロジーセンター)から、ブランド豚に変身
5)中小企業
①SDGsを達成するには、2030年までに世界で年間5~7兆ドルの投資が必要。しかし、実際の投資額は1.4兆ドル →︎3.6~5.6兆ドル不足!
※民間企業等の投資が不可欠!
~エネルギー、都市、食料、農業等の分野で、少なくとも想定の10%に当たる12兆ドルのビジネスチャンス!
~3.8億人の雇用も生まれる!
6)パートナーシップ
かながわSDGsパートナー
①目的:SDGsの取組のすそ野を広げる
②要件:
・経済・環境・社会の三側面全てで関わる取組
・SDGsの取組を公表
・県と共にSDGsの普及啓発に取組む
③メリット
・中小企業制度融資
・県によるPR
・かながわパートナーシップ会議でのマッチング
※連携協定先には、横浜銀行、京急電鉄、日本生命、SoftBank、セブン&アイ等がある。
7)新素材LIMEX
①LIMEXを使った、アップサイクルによるサスティナブルなまちづくり
②紙・プラスチックの代替品 →︎回収 →︎リサイクル+LIMEX →︎再製品・利用
栃木県の次期プラン策定に向け、横浜市、神奈川県のSDGsの取組は大変参考になりました。
これまで、本県が取組んできた対策・事業(経済・環境・社会)をベースに「とちぎSDGs」を構築したいと思います。
横浜市議会前にて
横浜市SDGs未来都市推進課より説明聴取
神奈川県庁前にて
制作局SDGs推進課より説明聴取